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THE STRUTSをMLの表紙にしたかった。

THE STRUTSの第2作『YOUNG & DANGEROUS』が素晴らしい。全日本プロレスの『チャンピオンカーニバル』並みにベタなタイトルだけども、とにかく素敵な曲がぎっしり詰まっていて、繰り返し聴いても全然飽きが来ない。正直、少しばかり不安だった。実は前回の来日時に4曲ほど新曲を試聴させてもらっていて、そのなかに‟Primadonna Like Me”なども含まれていたのだけども、すべてがシングルになりそうな曲であると同時にそれぞれ色味が異なっていて、ちょっと拡散に向かいすぎなんじゃないかとも思えたし、誤解を恐れずに言うと、器用なバンドがプロデューサーのおもちゃにされてしまうような怖さも少しばかり感じさせられたのだ。しかしそんな心配は無用だった。前作と同様、外部のソングライター・チームとのコラボなども目立つし、複数のプロデューサーを楽曲によって使い分けているが、非常にヴァラエティに富んだ内容でありながら散漫な印象とは無縁で、狭そうでいて広いハード・ロックの枠に収まりきらないこのバンドの魅力が存分に活かされている。また、前述の通り外部ライター云々という部分はあるにせよ、ルーク・スピラー(vo)とアダム・スラック(g)が全体を通じて曲作りの核となっているし、メンバーのみの手による楽曲もあり、それらが弱く感じられることもない。プロデューサー陣のなかでは、あのブッチ・ウォーカーの起用が興味深い。今後、両者の付き合いが深くなっていくことを期待している。実は、こちら(↓)でアルバム評を書かせていただいた時点ではクレジットが手元になく細かい事実関係を確認できずにいたのだが、「〈現代版グラム・ロック〉とか〈クイーンの再来〉といった形容を軽く超越してしまうポップ娯楽作」という印象は変わらないどころか聴くほどに強くなってきている。

9.30『大冠祭2018』DJプレイリスト

9月最後の日は、例年通り川崎CLUB CITTAでの『大冠祭』にお邪魔して、開場時と転換時のDJを務めさせていただいた。台風の影響が心配されたこの日、用心のために早めに会場入りしてみると、バックステージでは出演者もスタッフもてんてこまい。なんとJRが20時に運行を止めることが確定したのだという。それに伴いタイムテーブルも変更され、各出演者の演奏時間もコンパクトになり、当然ながらDJもいっそう臨機応変さを求められる感じに。しかし結果、帰宅が大変だったという方もたくさんいらしたはずだけども、素晴らしいイベントになったと思う。全員で協力しあってなんとか無事に着地点まで完走にこぎつけよう、という空気がステージ裏にもあった。チケット払戻し等に関しては、同イベントのオフィシャルサイトを参照のこと。https://www.hipjpn.co.jp/live/daikanmurimatsuri2018/というわけで、以下は当日のプレイリスト。ところどころ記憶が曖昧なのだけども、大きな間違いはないはず。ちなみに開場時からの数曲は、とっさに当日の天候にちなんだセレクトにしてみた。冒頭の3曲は雨の効果音で繋がっていたりします。Heavy Metal Thunder/SAXONThunder and Lightning/THIN LIZZYStreet Rock 'N Roller/44MAGNUMRock You Like a Hurricane/SCORPIONSBlack Rain/浜田麻里Straight to the Heart/BATTLE BEASTIn My Dreams/DOKKENAnimal/DEF LEPPARDYou Give Love a Bad Name/BON JOVI■GYZE on stageThe World Is Yours/ARCH ENEMYCold Blood/THOUSAND EYESRaining Blood/SLAYER(イントロ途中で暗転)■バックドロップシンデレラ on stageTrooper(live)/IRON MAIDENMadhouse(live)/ANTHRAXSuper-Charger Heaven(live)/ROB ZOMBIE(sic)/SLIPKNOT(冒頭ちょっとだけ)■Gacharic Spin on stageBark at the Moon/OZZY OSBOURNEMobscene/MARILYN MANSON軽蔑と始まり/DIR EN GREYArise/UNITED(イントロ途中で暗転)■NOCTURNAL BLOODLUST on stageArise/UNITEDLast Day/HER NAME IN BLOODParanoid/BLACK SABBATHShout It Out Loud/KISS■人間椅子 on stageYankee Rose/DAVID LEE ROTHBreaking the Law/JUDAS PRIESTMaster of Puppets/METALLICA■THE冠 on stageHome Sweet Home/MÖTLEY CRÜE

9.28、METAL MANIAの熱い夜ーDJプレイリスト

9月28日(金)の夜は、東京・渋谷TSUTAYA O-EASTで開催された『Red Bull Music Festival 2018 METAL MANIA』にて、開場時とステージ転換中のDJを務めさせていただいた。HER NAME IN BLOODをキュレーターとしながら、LOUDNESS、LOVEBITES、そしてHELL FREEZES OVERという強力な顔ぶれが一堂に会したこのイベント、その名の通りRed Bullの主催によるものなのだが、いろいろな意味で画期的だったと思う。その素晴らしい機会に僕自身も花を添えることができたのだとすれば、とても嬉しいし光栄に思う。このイベント自体についてはまた追って書きたいと思うが、取り急ぎ、DJ時のプレイリストのみお伝えしておくことにしよう。いやー、こういうイベント、どんどん増えて欲しいものです。Sympathy for the Devil/MOTÖRHEADKings of Metal/MANOWARMetal Heart/ACCEPTFuture World/PRETTY MAIDSSpeak/QUEENSYCHEIt's a Sin/GHOSTDoomsday Machine/OUTRAGEScream Aim Fire/BULLET FOR MY VALENTINEAlmost Easy/AVENGED SEVENFOLDAbsolute Zero/STONE SOURIn Waves/TRIVIUMFeed the Machine/NICKELBACKDown in the Trenches/SONS OF TEXASWalk/PANTERA■HER NAME IN BLOOD on stageKickstart My Heart/MÖTLEY CRÜEShadow of Your Love/GUNS N' ROSESUncomfortable/HALESTORMDangerous/DEF LEPPARDKiss of Death/DOKKEN■LOVEBITES on stagePower/HELLOWEENSlave to the Grind/SKID ROWPrincess of the Night/SAXONGangland/TYGERS OF PAN TANGPeace Sells/MEGADETH■HELL FREEZES OVER on stageWhiplash/METALLICAWarrior/RIOTAll Night Long/RAINBOWBlackout/SCORPIONSFirepower/JUDAS PRIESTBack in Black/AC/DC■LOUDNESS on stageWasted Years(live)/IRON MAIDENDoctor Doctor(live)/UFO■SPECIAL SESSIONGod Gave Rock and Roll to YOU Ⅱ/KISSWe Are the Champions/QUEEN

9.17はSURVIVE@Club Asiaに集結すべし!

最高傑作との呼び声高き、激烈かつ勇猛なる最新作その名も『IMMORTAL WARRIORS』をひっさげ 9.17、SURVIVEが20周年記念ワンマン・ライヴを実施!  結成20周年を迎えた国内メタル・シーンの雄、SURVIVE(サヴァイヴ)の最新アルバム、『IMMORTAL WARRIORS』が快調な滑り出しをみせている。今作は同バンドにとって通算7作目となるものだが、去る9月12日の発売以降、バックオーダーが止まらない状況にあるという。名盤との声も高かった前作『HUMAN MISERY』の発表からちょうど3年を経ているわけだが、ファンの飢餓感がどれほど高まっていたかがうかがえる。そして重要なのは、この『IMMORTAL WARRIORS』がその前作をも凌駕する彼らの本領発揮作であり、メンバー自身もそれを確信した状態にあるということだろう。

バンドの中心人物であるフロントマンのNEMO(vo,g)は「控えめに言っても、最高傑作としか思えない」と言いながら、次のように語っている。 
「正直、20年やってきて、これほどの満足感というのは初めてです。どんなに良いものを作れたつもりでいても完成と同時に〈もっとこうしておけば〉というのが出てくるのがミュージシャンとしては常ですが、今回はそういった感覚というのも皆無。やれることすべてをやったし、この感覚を味わうのに20年かかったか、という気さえするくらいです」 彼にとって長年の相棒的存在であるSINJILOW(b)もまた「これまでいろいろな局面で試してきたさまざまなこと、自分たちが経験してきたことの数々が、ここにきて活きてきたし、トータルな意味で満足感を味わえている」と言い切る。また、前作の制作途中からの参加となったGAKU(g)は、「今回は、自分たちだけでどこまでできるのかという挑戦でもあり、3人で作ったものとしての純度がとても高く、クリエイティヴ面での充実感がものすごくあった」と、制作過程を振り返っている。 少しばかり補足しておくと、バンド内最年少であるGAKUにとって、楽曲アレンジ段階から関わっていた前作『HUMAN MISERY』と同作に伴う世界規模のライヴ活動は、彼自身にとって〈SURVIVEの色と流儀〉を学ぶプロセスとなり、エンジニアとしてのノウハウも持つ彼は今作において作曲面で3曲を提供しているのみならず、ミックス段階においてもその手腕をいかんなく発揮している。バンドは現在、正式ドラマーを欠いた状態にはあるが、それを少しも痛手とすることなく本作の制作に取り組んできたのだという。
 NEMOは、そのGAKUの貢献度の高さを認めながら、「今作は本当の意味でのセルフ・プロデュースによるもの。前作ではサウンド面などで外国人の力を借りたところもあったけども、正直、そういったことの効果がさほど顕著に出たとは思えなかったし、ならば自分たちだけでやってみたかった」と語っている。また、アルバム1枚を通してのドラマティックな壮大さがあった前作に対し、今作は比較的コンパクトで攻撃的な楽曲がぎっしりと詰まった作風になっているが、それについては以下のように述べている。 
「自分の大好きなヘヴィ・メタルをやり続けるという意志があると同時に、毎回同じような作風ではありたくないし、常に自分なりに新しい挑戦をしていきたいという気持ちがある。生きているなかで得てきたもの、発見してきたものをどんどん反映させていきたい。実際、今回は曲が形になっていくスピードもすごく早かった。3月のヨーロッパ・ツアー終了後、4月から本格的に曲作りを進めて6月に録るという流れは時間的にはタイトだったけども、山あり谷ありだったヨーロッパ・ツアーでの経験が新鮮なうちに、それをインスピレーションとしてこのアルバムに活かすことができたと思う」 その欧州ツアーは、約1ヵ月間ほぼ毎日ライヴという過密スケジュールで行なわれ、彼らはこの場には書ききれないような修羅場を含む紆余曲折を経てきたが、その日常のなかで味わってきたさまざまな葛藤やフラストレーションから、大好きな音楽をプレイし未知のオーディエンスと熱を分かち合える喜びに至るまでのすべてが、この新作アルバムにとってのエネルギーとなったのだった。
 そしてもちろん、彼らの視線は未来に向かっている。NEMOが「今回のアルバムを作るにあたって頭のなかにあったのは〈これからの自分たち〉。20年やってきて今を生きている自分たちとして、これからさらに世界を目指していく、という気持ちがこの作品に繋がった」と言えば、GAKUはその発言を受けて「SURVIVEとしての過去を持たない自分は、未来しか見ていなかった」と言い、「自分が書いた曲がこの場で起こす化学反応を楽しめた」と語る。そしてSINJILOWは「時間的に余裕はないのに気持ちには余裕があるという不思議な感覚でもあった」と、従来以上にアグレッシヴな今作が、実は意外なほどリラックスした空気のなかで制作されていたことを認めている。それもまた、外部からの雑音をシャットアウトした状態で、集中力をもって彼らが本作に取り組んできたからこそだろう。 
そしてSURVIVEは、9月17日(月/祝)、東京・渋谷CLUB ASIAにて、20周年記念のワンマン・ライヴを実施する。NEMOは「このライヴが終わったら、自分が〈燃え尽き症候群〉になることがわかっている」と笑う。そんな言葉からも意気込みの半端なさがうかがえる。彼はさらに、次のように語っている。 「せっかくのワンマン。普段よりもたっぷり演奏できるから20周年に相応しい全体を網羅した内容にしたいと思うし、当然ながらニュー・アルバムからも演奏する。その日だけの特別な演出や仕掛けも用意しています」 このアニヴァーサリー・ライヴが、ふたつのディケイドを独力で生き抜いてきたSURVIVEならではの屈強さを存分に味わうことのできる機会になることは間違いない。実際、『IMMORTAL WARRIORS』に伴うツアー自体は2019年に入ってからの実施となる予定だとのことなので、まずはこの機会にしか味わえない今現在の〈20年を経てきた、2018年のSURVIVE〉を存分に堪能したいところである。SURVIVE
20 th Anniversary ONE MAN LIVE 9/17(月/祝)東京CLUB ASIA 開場18:00 開演18:30http://www.rebel-survive.com/ https://twitter.com/surviveofficial 

夏の夜、気分はツバキハウス。

8月13日の夜、新宿歌舞伎町のROCK CAFE LOFTにて行なわれた『METAL CAFE LOFT#01』にご来場くださった皆さま、暑いなか、ありがとうございました。今回は基本的にBURRN!創刊前、すなわち1984年以前の楽曲を中心に、かつて自分が足繁く通っていた当時のTSUBAKI HOUSEなどもイメージしつつお送りしました。いつになるかわかりませんが、#02も必ず開催しますのでお楽しみに。以下、当日のプレイリストです。The Ides of March~Wrathchild/IRON MAIDEN〈ちょっとお喋り。TSUBAKI HOUSEやNWOBHMに関することなど〉Hello America/DEF LEPPARDHollywood Tease/GIRLMotorcycle Man/SAXONCrazy Horses/TANK〈TANKについてはめずらしくアナログ盤7インチをかけました〉Angel Witch/ANGEL WITCHCheetah/WHITE SPIRITGangland/TYGERS OF PAN TANGMind Over Metal/RAVEN〈イギリスだけじゃないよ、という話を少々〉Bedside Radio/KROKUSBreaker/ACCEPTSeven Doors Hotel/EUROPEHowl in the Sky/BISCAYACity Light/PRETTY MAIDSCurse of the Pharaohs/MERCYFUL FATEDevil’s Rondo/SABBRABELLS(Don’t Fear) The Reaper/BLUE OYSTER CULTIt’s a Sin/GHOST〈GHOSTを聴くとBOCを思い出す、みたいな話を。そして、来場していたEND ALLのSATOTSUを呼び込んで、WACKEN OPEN AIR出演時の話など少々〉Reggies/END ALL〈ここからは『US FESTIVAL 83』メタル・デイの出演者の曲を、出演順に〉It’s Not So Funny/QUIET RIOTToo Fast for Love/MÖTLEY CRÜEOver the Mountain/OZZY OSBOURNEThe Hellion~Electric Eye/JUDAS PRIESTAllied Forces/TRIUMPHBlackout/SCORPIONSUnchained/VAN HALENPlease Don’t Leave Me/JOHN SYKES〈ここで一応、イベントは終了。以下、なんとなく気の赴くままにプレイ〉Hell’s Bells/AC/DCLove Ain’t No Stranger/WHITESNAKELooking For Love/THE MICHAEL SCHENKER GROUPYou/G-FORCENeon Knights/BLACK SABBATHDown to You/STRAPPSBlack Rain/浜田麻里Paradise/浜田麻里

8.11、初めての福島へ。

8月11日は、福島市へ。過去に二度ほどライヴ取材(UVERworldとSiMで一度ずつ)で郡山を訪れたことはあったものの、JRの福島駅に降り立ったのは生まれて初めてのことだった。東京生まれ、東京育ちの僕は、帰省ラッシュというものとはずっと無縁に過ごしてきたのだが、この日の新幹線はさすがに大混雑。この日いちばん汗をかいたのは東京駅のホームで、だったと思う。同夜は、以前からお誘いを受けていたロック・バー、the DAY OF RAGEにてトーク・ライヴを。エフエム福島『福島HEAVY METAL計画』でお馴染みの古賀 徹さんの巧みな進行に導かれるまま、BURRN!創刊以前の経歴に関することをはじめ、ご来場者の質問にもお答えしながらいろいろと話させていただいた。気が付けばあっという間に3時間が経過。その後はもちろんさらに宴を楽しんだというか、あれこれ話しまくったというか、結果的には酒に呑まれたというか……。宿泊先のホテルにどうやって帰還したかを憶えていないというありさまだったのだが、言うまでもなくそれは、福島で過ごした夜が、何から何まで楽しかったからだ。是非またいつか、うかがいたいものだと思う。というか、各地のロック・バーで話をして廻るというのも面白いのかも。ちなみに同日の写真はお店のFACEBOOKにもアップされている。https://www.facebook.com/pg/rockbarthedayofrage/photos/?tab=album&album_id=1118536584971073お声掛けくださったthe DAY OF RAGEの石井さん、ファビオ君、エフエム福島の古賀さん、そしてご来場くださったみなさま、ありがとうございました! 次の機会のために、鉄板ネタを厳選しておきます! 

ふたたび降臨した、もうひとりの自分。

また調子に乗って歌ってしまった。8月7日、Hard Rock Cafe横浜店でのHATTALLICAのライヴにゲスト出演してしまったのだ。しかもロブ・ハルフォード役として。改めて説明する必要もないはずだが、HATTALLICAは本家METALLICAにも認知されているトリビュート・バンド。そのライヴの完成度、こだわりぬかれた再現性の高さには定評がある。振り返ってみれば、JUDAS BRIEF党の臨時ヴォーカリストとして吉祥寺Silver Elephantのステージに立ったのが、去る4月8日のこと。早いものであれから4ヵ月の時間が流れているわけだが、あれがなかったら今回のことも起こり得なかっただろう。HATTALLICAのギタリスト、Kirz氏からは、実はBRIEF党のライヴに向けてたびたびスタジオ入りしていた3月のうちから話を持ち掛けられていた。ただ、当初希望されていた彼らの4月29日のライヴへの参加は取材スケジュールの都合で叶わず、いつかタイミングが合えば、というところで話が一度止まっていたのだった。過去、ロブ・ハルフォードは何度かMETALLICAのステージに登場し、JUDAS PRIESTの"Rapid Fire”を彼らと共演している。HATTALLICAが考えていたのは、まさしくその場面の再現だった。https://www.youtube.com/watch?v=yFonJWErOEhttps://www.youtube.com/watch?v=zga67Ievjck“Rapid Fire”については、BRIEF党とのステージでは演奏していなかったし、歌詞もきちんと覚えていなかったので、正直なところ不安だった。だから8月2日の夜に彼らがリハーサルするスタジオを訪ねた時も、ちゃんと歌えなかったらお断りしようかな、と考えていた。ところが一回合わせてみたところ、「ばっちりじゃないですか!」みたいなことになり、結局またもや調子に乗ってしまったというわけだ。とはいえ今回も歌詞を覚えきれなかったのでカンペを用意し、途中からサングラスを投げ捨てて老眼鏡をかけた状態で歌うという事態になったのだが、なんとか形にはなったのではないかと思っている。最後の最後は「See you at FIRE POWER TOUR in November!」と噛まずに言って去ることができたし、まずまずだったのではないか、と。しかし、そんなことはともかく、この日もHATTALLICAは素晴らしかった。トリビュート・バンドというものに対する見方は人それぞれだと思うが、本家への接近度のすごさもさることながら、バンド自体に力があるのだ。僕のようなど素人が歌っても形になり得たのは、バンド自体に確固たるものがあるからこそ。それを改めて実感させられた。というわけで、4月のライヴの際に自作した衣装がこの夜にも活躍することになったわけだが、果たしてこれは、いつ訪れるかわからない“次”のためにこのまま保管しておくべきものなのか? あんまり調子に乗るなよ、と思いつつも、なントなく新たな機会到来を心の隅のほうで期待している自分がいることに気付かされるのだった。

『YOSHIKI CHANNEL』と『LIVE☆WIRE』

7月下旬は20日、28日と2週連続で『YOSHIKI CHANNEL』に出演させていただいた。20日はYOSHIKI featuring HYDEとして発表された新曲、"Red Swan”(TVアニメ『進撃の巨人』オープニングテーマ)に関することを中心に直接対面形式でのインタビュー、そして28日は『FUJI ROCK FESTIVAL』にてSkrillex(僕はいまだにこの名前を正確に発音できない)のステージにゲスト出演した直後、苗場からの中継画面を通じての会話となった。28日については、その生放送中にSkrillexや彼のマネージャーの歓迎すべき乱入などもあり、いわゆるインタビューの際とは違ったテンションにあるYOSHIKIの表情や言葉をお届けすることができたのではないかと思うが、双方の回の会話を通じて痛感させられたことのひとつに、彼の「ロックを廃れさせたくない」という想いの強さ、というのがある。彼は、自身とSkrillexに友達レベルでの繋がりがあることを大概の人は意外に思うはずだと認めながら、『COACHELLA FESTIVAL』でのMARILYN MANSONとの共演についても改めて触れ、「こうやって枠がどんどん広がっていくといいな、と思っていて。ヒップホップとかも、(いろいろな形での)コラボレーションをしながら枠を広げてきたじゃないですか」と語り、さらには「ロックがこの世の中にカムバックしていくことに貢献していきたい」とまで言い切っていた。賛同・共鳴の声をあげたくなるのと同時に、鈍器で頭をガツンと殴られたかのような衝撃をおぼえた。さりげなく吐かれた彼の言葉から、すでに世間的にはロックが廃れたものとして認識されていることを改めて思い知らされたからだ。もちろんその衰退傾向を感じていなかったわけではないが、この発言を耳にした瞬間、目を逸らそうとしていた現実を突きつけられたかのような気分を味わわされたのだ。そしてある種の感動をおぼえたのは、YOSHIKIが、自分たちの音楽のためのフィールドを守り、広げていくことを使命感のように捉えている、という現実についてだった。たとえば実際、X JAPANのニュー・アルバムは、どんなタイミングでリリースされようと話題を集めることになるはずだ。だけどもそれが〈ロックなど過去の遺物〉と誰もが思っている世の中に放たれるか、〈いやいや、実はまた新たな可能性を広げつつあるんだぜ〉という声が高まりつつあるなかで登場するかには、大きな差があるように思う。彼の意識がそうしたところにまで及んでいることに、僕は素直な感銘をおぼえると同時に、メディアに携わる人間としても同じことに取り組むべきだということを実感させられた。それから数日を経た8月2日の深夜、僕はスマホである番組を見ていた。The Blue ScreamというバンドのフロントマンであるGOTYによる、『LIVE☆WIRE』という配信プログラムだ。The Blue Screamは、日本のクラブ・シーンで活動しているバンドで、純国産でありながら自身のプロフィールには〈出身:Los Angeles,CA.〉などと躊躇なく書き、各地のライヴハウス空間を80年代のロサンゼルス化させようとしている愛すべき若者たちだ。そんなバンドのメンバーが番組の真似事をやってみたところで、いきなり世の中的に大きな話題になるわけではない。しかし僕は、こうして自分たちにとっての遊び場を自らの手で耕し、自分たちの音楽をより楽しんでもらえるよう工夫を凝らし、背景を伝えることでより深い共鳴を集めようとするこのバンドの意欲的な姿勢と心意気に、ちょっぴり感動させられた。先輩を追いかけていくだけでは誰にも追いつけないし、もっと言えば追いかけるべき誰かの背中も見当たらない。ならば自分たちの手でシーンと支持層を開拓していくしかない。それは、多くのバンド(いや、バンドや音楽に限った話ではないはずだが)にとって、〈重々承知ではあるけども、なかなかできずにいること〉のひとつだろうと思う。そこで彼らが失敗を恐れずに新たなことに取り組んでいるさまに、僕は頼もしさと美しさを感じずにいられなかった。YOSHIKIとThe Blue Scream。双方が実践していること自体は、規模も違えば次元も違う。しかし根本にあるのは同じ気持ちではないだろうか。自分たちが大好きなもののための場所を失いたくないし、できることならそこを守り抜くのみならず広げていきたい。音楽を作る当事者たちのなかにそういう人たちがいるからこそ、僕もそこに良い意味での加担をしていきたいし、これからの自分に何ができるかを考えながら、新たなことにも取り組んでいきたいと思う。

8月の〈書かない仕事〉のお知らせ。

僕の名刺には、肩書きも所属も職種も書かれていない。自己紹介する際には「ライターの増田勇一です」と名乗ることが多いけども、一文字も書かない仕事をすることもときどきある。ことに近年はトーク・イベント的な場で喋らせていただく機会が増えてきたり、あくまでゲストの1人として呼ばれたつもりで『YOSHIKI CHANNEL』のスタジオに出向いてみたらいきなり進行役を任されたり。しかし、元々はわりとアガり症だったはずだったのだが、慣れてくるとトークの仕事も楽しいものだし、タイムテーブルや台本通りに話をまとめられた時には、何かを足したり削ったりせぬまま原稿が制限字数ちょうどくらいの長さでまとまった時のような、ある種の快感をおぼえるようになっていたりもする。とはいえ、まだまだ喋りのほうは素人。文章を書く場合には、言いたいことを有効に伝えるうえでの言葉選びや文そのものの練り込みに時間をかけることもできるが、その場で振られた話題に即座に対応していかなければならないテレビやラジオ、トーク・イベントの場合は、瞬発力を問われることになるうえに、話しながら結論というか着地点を見つけなければならないというのがある。ある意味、書く仕事と喋る仕事には、作品とライヴみたいな違いがあるわけだ。7月はlynch.の面々をゲストに迎えての『MASSIVEトーク・セッション vol.5』、UNITEDの新作アルバム・リリース・パーティの司会進行、ROCK CAFE LOFTでのDJ&トーク、YOSHIKI CHANNELでの生放送インタビューなどを行なってきたが、8月にも実はいくつか〈書かない仕事〉が決まっている。各々のイベントについてはツイッターでも告知してきたが、改めてそれらをこの場でまとめてお伝えしておきたいと思う。■8月11日(土)Rock Bar the DAY OF RAGE presents Fukushima Royal Rumble vol.39増田勇一の『酒の勢いで、つい』福島のロック・バー、the DAY OF RAGEにお招きいただき、トーク・ライヴを行なうことになった。テーマはフリーとのことなので、ただいま脳内にて検討中。『酒の勢いで、つい』というタイトルは自分で付けたのだが、まさにその言葉通りの〈ここだけの話〉を披露させていただくつもりだ。

バルセロナでの感動から2年が経過。

2016年の今頃は、バルセロナ~アムステルダム5泊7日の旅をしていた。7月14日に東京を発って同日にバルセロナ入りして、15日と16日に『ROCK FEST BARCELONA』を観て、17日は同フェスの最終日を諦めてアムステルダムに飛び、ちょうど欧州ツアー中だったNOCTURNAL BLOODLUSTを観る、というスケジュールだった。この旅における最大の目的は、LOUDNESSを海外で観ることにあった。彼らはこの『ROCK FEST BARCELONA』に前年に続いての出演で、しかも3日間のフェス全体を通じてのヘッドライナーというべきIRON MAIDENの演奏直後にステージに立つという好条件。この機会は絶対に逃したくない、と思った。なにしろ〈日本が世界に誇るべきバンド〉みたいなことを散々書いてきたのに、僕はそれまで一度もLOUDNESSのライヴを日本の外で観たことがなかったのだ。もちろん彼らが成し遂げてきたことの大きさは重々承知しているが、それを自分のなかでもっとリアルに実体験しておきたかった。そんな気持ちに突き動かされ、おもわず格安航空券をポチッと予約し、初めてバルセロナを訪れたのだった。結果、この旅は自分にとってとても有益なものになったと感じている。それまで信じていたことについてさらなる確信を持てたことで、浅草国際劇場でのデビュー・ライヴ(1981年)から観てきた僕自身と同世代のこのバンドは、自分のなかでよりいっそう大切な存在になった。ついさきほどまでIRON MAIDENの楽曲群をひとつのこらず大合唱していたオーディエンスがLOUDNESSのステージに熱狂している。そんなさまをステージ上の機材の陰から体感しながら、なんだか自分もまだまだ夢を捨てることなく走り続けるべきなのだ、と感じさせられたものだ。そのLOUDNESSは現在、ちょうどヨーロッパ各地を巡演中だ。彼らの旅がまだまだ続いていくのと同じように、僕の旅もまだまだ終わらなくていいのだと思えてくる。さあ、今日も頑張ろう。