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1月8日、三大バンドを肴に新宿で乾杯🍻

昨年3月にオープンした新宿歌舞伎町の『ROCK CAFE LOFT』で、毎月のようにイベントを開催させていただいている。音楽やそれに関する蘊蓄を聞きながら飲食を楽しんでいただく、というコンセプトのお店なので、DJイベントのようにひたすら曲をかけまくるだけでもなければ、トークショウのように話ばかりするわけでもない。毎回ひとつのテーマに沿いつつ音楽を紹介しながらそれにまつわる話をしていく、という具合だ。(他の人たちのイベントはどうだかよく知らないけど)僕にとって今年最初のこのお店でのイベントは、1月8日に開催される。今回のお題は『今だから再検証! BIG3の時代』。70年代なかば、洋楽ロックの流れを変えたQUEEN、KISS、AEROSMITHは、ここ日本では”三大バンド”などと呼ばれていた。御三家とか三羽烏とか、そういうのが好きな日本ならではの話。僕自身が中学~高校生だった頃のことだ。今回はその3組の楽曲はもちろんのこと、“三大バンドになり損ねたバンド”たちの音楽も、当時の記憶を辿りながらのお喋りとともに楽しんでいただこうと思っている。たとえば、このへんの人たちとかね。(左上から順に時計回りで、ピーター・フランプトン、英国のMR.BIG、SWEET、ANGEL、STARZ、そしてSTRAPPS)

『渋谷メタル会』へのいざない。

『渋谷メタル会』という世にも怪しい集いが、2~3ヵ月に一度くらいのペースで、深夜の渋谷の地下世界で催されている。簡単に言うとメタルを共通言語とする人たちの吞み会であり、さまざまなバンドのメンバーをはじめとするメタル界隈の人たちが短時間のDJを繋いでいくなか、そこに集まった人たちがただただ呑みながら話をする、というだけのことではあるのだが、これがなかなか楽しい。しかも僕にとってそこは、バンド事情やアンダーグラウンド・シーンの動向を知るうえでの貴重な情報収集の場にもなっている。実際、これまであのイベントに参加してこなければ、僕はまだTHE ART OF MANKINDを知らずにいたかもしれないし、HIDDEN CHRISTIANと名乗っていた頃のBLACK SWEETと出会うこともなかったかもしれない。SADNESSについてもそうだし、広島からやってきたLEATHER ROSEのメンバーと会ったのもこの場所だ。そうした若いバンドや、地元でイベントを企画・運営している人たち、ライヴハウスの常連さんたちの話を聞きながら呑んでいると、なんだか往年のツバキハウスで「KERRANG!の最新号見た? あのバンドから誰々が脱退したみたいじゃん」「それより誰々が来日するらしいよ!」みたいな情報交換をしていた頃の空気に通ずるものを感じさせられたりもする。もちろん各DJの選曲も楽しい。専門分野に精通した人たちによる限りなくマニアックな曲も聴こえてくれば、バンドたちの自己PRもあるし、「なんでそんなに若いのにその曲を知ってるの?」と驚かされることも多々ある。そんななか、僕も僕で毎回、好き勝手な選曲をしながら若者たちに「それ、なんすか?」と訊かれるのを楽しみにしていたりするのだが。というわけで、今年最初の『渋谷メタル会』は明日、1月5日(土)の深夜、渋谷CYCLONEにて開催される。スタートは23時30分。そして同じ夜、同会場ではBLACK SWEETの主宰によるイベント『READY TO STRIKE vol.1』が開催される。出演者はAFTERZERO、矢島舞依、VORCHAOS、そして当然ながらBLACK SWEET。開場は17時15分、開演は17時45分となっている。ちなみに明日が、CYCLONE自体の今年最初の営業日でもある。要するに明晩は、このイベントのアフター・パーティを兼ねながら『メタル会』が開催されるというわけだ。当然ながら僕自身も明日はCYCLONEでたっぷりと時間を過ごすつもりだ。すでに正月モードから抜けきった人も、仕事始めがまだの人も、ユル~く楽しくこの機会に新年会気分で‟メタル初め”、‟CYCLONE詣で‟はいかがでしょう?https://twitter.com/shibuyametalkaihttps://twitter.com/SHIBUYA_CYCLONEhttps://twitter.com/BlackSweet2017

『紅白歌合戦』の裏番組の記憶。

大晦日に『紅白歌合戦』を見なくなったのはいつ頃からだったのだろうか。幼い頃は当然のように見ていたし、最後まで見届けること(=ずっと起きていること)を大人への第一歩のように感じていた頃もあったように思う。お目当ての歌手はほとんど前半のうちに出尽くしてしまい、後半へと進んでいくにしたがって親たちの好きな人たちばかり出てくるものだから徐々に飽きてしまい、なんとか紅白を最後まで見て『ゆく年くる年』で除夜の鐘の音を聞いてやるんだ、という幼い野望は呆気なく打ち砕かれてしまうことが多かったのだが。実際、あの番組を見なくなったのは、洋楽やロックへの目覚めとも無関係ではなかったと思う。あれは確か、1976年の大晦日のこと。紅白の裏番組で、その年に行なわれたオリビア・ニュートン・ジョンの武道館公演の模様が放映されたことがあった。厳密に言うと、番組の前半がオリビアで、後半はサルバトーレ・アダモの来日公演(こちらも確か、会場は武道館)だったと記憶している。歌謡曲に興味のない洋楽ファンを引き寄せようという某テレビ局の狙いは明らかだった。悲しいのは当時、まだ自宅にホームビデオがなかったこと。さらに悲しかったのは、その年に限って年末年始を母親の郷里である宮崎で過ごしていたこと。それでもどうしても見たかったから、泊まっていた母の実家で尋ねてみると「ならば爺様の部屋で見ればいい」という。当時すでに高齢だったお爺ちゃんは、普段からベッドに寝転がったままテレビを眺めて過ごしていることが多かったが、番組内容はどうでもよく、とにかく何かが流れていればいい、という感じだったのだ。それで結果、みんなが居間で炬燵に入って紅白を見ている時に、僕は別の部屋でオリビアを見ていた。テレビの前にはラジカセを置いて、自分にとって2回目の洋楽ライヴ体験となったその来日公演の模様を録音しようと準備を整えていた。番組放送中、お爺ちゃんが話しかけてきませんように、と祈りながら。とはいえ、そこまで都合よく物事は進まない。お爺ちゃんは何度かお茶が欲しいと声を掛けてきたし、トイレにも立った。しかも耳が遠いものだから声も大きいし、何か言われるたびにこちらも大声で返事をしなければならなかった。テレビに映っている〈外国人の別嬪さん〉が誰なのかという質問も受けた。そして、実際にライヴを観た時にも感じたことだったが、当時のオリビアはあまり歌が上手ではなかった。バラードを丁寧に歌っている時はいいのだが、アップテンポの曲では音程のふらつきも目立った。というか、「そんなにステージをぴょんぴょん飛び跳ねながらまともに歌えるわけないじゃん!」と素人ながら思わされたものだ。しかもそうした歌唱の不安定さは、やけに歌ばかりが前に出た当時のテレビならではのミックスのせいで、必要以上に強調されてしまっていた。結果、その際に録音した、ところどころにお爺ちゃんとの会話が飛び込んでくるテープはほぼ聞き返すことがなかったし、いつのまにかどこかにいってしまった。今となっては、お爺ちゃんとのひとときの記憶のためにも保存しておけばよかったと思うのだが。そういえば当時、「洋楽の紅白があればいいのに!」などと思いながら、勝手に対戦カードを妄想して楽しんでいたりもしたものだ。やっぱりトリはオリビア対エルトン・ジョンかな。いやいや、トリを務めるのはオリビアにはまだちょっと早いかな。紅組がリンダ・ロンシュタットなら白組はイーグルスかな、とかね。結果、これを考え始めると、いつも紅組の出場者が足りなくなってしまい、そこで妄想は終わっていたのだけども。今や紅白の裏番組といえば『笑ってはいけない~』か格闘技。我が家では今回も紅白を見ることはなかったけども、今の自分が洋楽紅白を妄想するとなると……やはり紅組の目玉はテイラー・スウィフトとレディ・ガガですかねえ。全プログラム終了後のグランド・フィナーレは紅白両チームの全出演者による‟We Are The Champions”の大合唱とか。あ、ラミ・マレックはきっと審査員に起用されていたりするんだろうなあ……などと、この種の妄想というのはいくつになっても楽しいものではあるのです。

2018年に観た150本のライヴ

2018年はトータル150本のライヴを観た。同業者のなかでもおそらくだいぶ多いほうだと思うが、2017年は162本だったから、これでも微減傾向にあるということになる。実際問題、ライヴ通いをしているとそのぶん原稿執筆のための時間を削られることにもなるし、その帰りに軽く一杯、なんてことが続くと大変なことになる。しかしライヴ会場に足を運ぶ頻度はできるだけ落としたくない。インタビュー相手に関する資料を洗い直すことも大事だが、それ以上にライヴを通じてそのアーティストの”今”を体感することのほうが重要だと思うし、自分自身、ろくにライヴを観ていない人の言うことを信じられないからだ。とはいえ、今後もペースを落とさずライヴ通いを続けていくためにも、観覧後に軽く一杯(のつもりが重く何杯も)というパターンは控えめにしておくべきだろうし、終演後の関係者挨拶のために長時間にわたり会場に居残ることは、時と場合によっては遠慮させてもらうべきかもしれない。というわけで、以下が2018年に観た150本のライヴのすべてである。イベント等については基本的に出演者名を記していないが、ご了承いただきたい。ちなみにこれら150本のうちいくつかには、自分自身も出演していたりするのだが。◆01/04 SURVIVE,COCOBAT,END ALL,HATTALLICA他@渋谷CYCLONE◆01/06 VOLCANO@目黒・鹿鳴館◆01/08 [Legend of Rock New Year Special 18]@渋谷duo Music Exchange◆01/11  PAUL STANLEY’S SOUL STATION(第一部)@Billboard Live◆01/11  PAUL STANLEY’S SOUL STATION(第二部)@Billboard Live◆01/19 ED/ED他@高円寺HIGH◆01/28 JUN&8 BALLS他@下北沢Music Island O◆02/01 SONS OF TEXAS,HER NAME IN BLOOD@渋谷duo Music Exchange◆02/03   MERRY@日本青年館◆02/06 coldrain@日本武道館◆02/09 清春@岐阜club G◆02/10   BLACK SWEET@大塚Hearts+◆02/11 LUNA SEA@名古屋センチュリーホール◆02/15 VENOM INC.,SURVIVE他@渋谷クラブクアトロ◆02/16 sukekiyo@マイナビBLITZ赤坂◆02/17 JUDAS BRIEF党,CRYONICS他@代官山Space ODD◆02/17 SILEX@渋谷REX◆02/23 LOVE BITES@渋谷duo Music Exchange◆02/25 SERENITY IN MURDER,HATESPHERE,他@渋谷Club Asia◆03/01   POLPO@渋谷WWW◆03/02 清春@仙台Rensa◆03/04 OUTRAGE@渋谷クラブクアトロ◆03/10 UNITED@目黒鹿鳴館◆03/11 lynch.@幕張メッセ◆03/12 GUNS LOVE ROSES@渋谷duo Music Exchange◆03/16 HELLOWEEN-Pumpkins United@EX THEATER ROPPONGI◆03/17   END ALL,VOLCANO,ABIGAIL,HONE YOUR SENSE@渋谷CYCLONE◆03/18 LUNA SEA@広島・上野学園ホール◆03/22 LOUDNESS@ZEPP TOKYO◆03/23 SPIRYTUS,THE BLUE SCREAM,ARESZ@新宿Wildside◆03/24 GASTUNK@恵比寿リキッドルーム◆03/25 [METAL BATTLE JAPAN 2018]@新宿Wildside◆03/31 [WARPED TOUR JAPAN]@幕張メッセ◆04/01 [WARPED TOUR JAPAN]@幕張メッセ◆04/06 THOUSAND EYES,THE ART OF MANKIND@渋谷CYCLONE◆04/08 [SOUL OF ROCK~吉祥寺トリバンナイトVol.31]@吉祥寺Silver Elephant◆04/11 X JAPAN@ZEPP DIVER CITY TOKYO◆04/13 清春@名古屋ボトムライン◆04/14 IN FOR THE KILL,HELL FREEZES OVER他@新宿Wildside◆04/18   DIR EN GREY@新木場STUDIO COAST◆04/19   DIR EN GREY@新木場STUDIO COAST◆04/22 D’ERLANGER@豊洲PIT◆04/27 人間椅子@渋谷TSUTAYA O-EAST◆04/28 TILT他@目黒鹿鳴館◆04/29 The BONEZ@渋谷TSUTAYA O-EAST◆05/03   清春@EX THEATER ROPPONGI◆05/04 [LEGEND OF ROCK GW SPECIAL 18]@渋谷duo Music Exchange◆05/12   MERRY(第一部)@恵比寿ガーデンホール◆05/12   MERRY(第二部)@恵比寿ガーデンホール◆05/13 首振りDolls@代々木Labo◆05/19 AWAKED,TERROR SQUAD,END ALL,他@新宿Merry Go Round◆05/20 HEESEY@大阪・心斎橋DROP◆05/22   MUCC@ZEPP TOKYO◆05/23 SEPULTURA,UNITED@渋谷duo Music Exchange◆05/29   LUNA SEA@日本武道館◆06/01 sads,東京ゲゲゲイ@恵比寿リキッドルーム◆06/02 BugLug@新宿BLAZE◆06/03 BUCK-TICK@市川市文化会館◆06/06 THE LOCAL BAND,STAM1NA@渋谷TSUTAYA O-EAST◆06/08 MARY’S BLOOD@名古屋ELL◆06/12 sads,LOUDNESS@横浜BAY HALL◆06/15 sads,BISH@恵比寿リキッドルーム◆06/17 THIS IS JAPAN,他@新宿MOTION◆06/21 THE BLACK COMET CLUB BAND他@西永福JAM◆06/23 [LUNATIC FEST.]@幕張メッセ◆06/24 [LUNATIC FEST.]@幕張メッセ◆06/30 DIR EN GREY@新木場STUDIO COAST◆07/02 STONE TEMPLE PILOTS@恵比寿リキッドルーム◆07/06 sads@マイナビBLITZ赤坂◆07/08 [HEADSTRONG FES 18]@川崎CLUB CITTA◆07/09 DAUGHTRY@恵比寿リキッドルーム◆07/11 lynch.@渋谷TOWER RECORDS-CUT UP STUDIO◆07/14 D’ERLANGER@EX THEATER ROPPONGI◆07/16 AllS,UNVEIL RAZE,SAILING BEFORE THE STORM他@渋谷CYCLONE◆07/17 SEX MACHINEGUNS,HER NAME IN BLOOD他@渋谷CYCLONE◆07/19 BUCK-TICK@NHKホール◆07/21 [TOKYO GUITAR FIGHT vol.5]@大塚Hearts+◆07/23 HATTALLICA@渋谷duo Music Exchange◆07/27 LECHERY,SOLITUDE,HELL FREEZES OVER@新宿Zirco Tokyo◆08/03 sads@Heaven’s Rockさいたま新都心◆08/04 UNITED,IN FOR THE KILL他@大阪・心斎橋Bigtwin Diner Shovel◆08/05 [DEATH ROCK MOVEMENT 2018]@新宿LOFT◆08/07 HATTALLICA@横浜Hard Rock Café◆08/09 THIS IS JAPAN@下北沢Shelter◆08/10 DALLE@渋谷VUENOS◆08/12 J@マイナビBLITZ赤坂◆08/15 [”CRAZY”COOL-JOE presents"CRAZY" Rock Night vol.2]@下北沢GARDEN◆08/16 THOUSAND EYES@渋谷TSUTAYA O-WEST◆08/17   [SONIC MANIA]@幕張メッセ◆08/18 [SUMMER SONIC]@幕張メッセ+ZOZOマリンスタジアム◆08/19 [SUMMER SONIC]@幕張メッセ+ZOZOマリンスタジアム◆08/23 DIR EN GREY@東京国際フォーラム◆08/24 DIR EN GREY@東京国際フォーラム◆09/01 BugLug@日比谷野外大音楽堂◆09/03 ACE FREHLEY(第一部)@Billboard Live◆09/03 ACE FREHLEY(第二部)@Billboard Live◆09/05 HYDE,STARSET@ZEPP TOKYO◆09/08 HELL FREEZES OVER,END ALL,BLACK SWEET,THE BLUE SCREAM@渋谷CYCLONE◆09/17 SURVIVE@渋谷Club Asia◆09/24 The BONEZ@大阪BIG CAT◆09/27 BAROQUE@渋谷TSUTAYA O-EAST◆09/28 [Red Bull Music Festival-METAL MANIA]@渋谷TSUTAYA O-EAST◆09/30 [大冠祭2018]@川崎CULB CITTA◆10/03 ROTTENGRAFFTY@日本武道館◆10/06 GUNS LOVE ROSES@HARAJUKU SPACE◆10/07 MEPHISTOPHELES@池袋・手刀◆10/11 CHEAP TRICK@ZEPP TOKYO◆10/12 運命交差点@青山・月見ル君想フ◆10/16 DIR EN GREY@LONDON Electric Ballroom◆10/17 JEFF LYNN’S ELO@LONDON O2 ARENA◆10/19  SERENITY IN MURDER@新宿Wildside◆10/24 DEF LEPPARD@日本武道館◆10/28 [TRACK FEST 8]CHEAP TRACK,JUDAS BRIEF党、他@目黒鹿鳴館◆10/29 DEF LEPPARD@ZEPP NAGOYA◆10/30 清春@マイナビBLITZ赤坂◆11/01 ZIGGY@新横浜New Side Beach◆11/02   THE BLUE SCREAM@新宿Wildside◆11/03 OUTRAGE,END ALL,TERROR SQUAD@渋谷CYCLONE◆11/04 lynch.@TOKYO DOME CITY HALL◆11/06 sukekiyo@日本青年館◆11/07 MERRY@恵比寿リキッドルーム◆11/10 BUCK-TICK@豊洲PIT◆11/14   sads@新宿LOFT◆11/16 [The Bloody Friday Night Show~unpulugged set all cover songs]@新小岩オルフェウス◆11/18 [ED/ED presents “We salute you, Malcolm" Tribute to Malcolm Young]@高円寺SHOWBOAT◆11/19 The BONEZ@ZEPP TOKYO◆11/21   JUDAS PRIEST@ZEPP SAPPORO◆11/24 ZIGGY@渋谷TSUTAYA O-EAST◆11/25 D’ERLANGER@品川ステラボール◆11/26 BON JOVI@東京ドーム◆11/28 JUDAS PRIEST@TOKYO DOME CITY HALL◆11/29 JUDAS PRIEST@武蔵野の森総合スポーツプラザ・メインアリーナ◆11/30 sads@品川ステラボール◆12/02 OBLIVION DUST@下北沢GARDEN◆12/03 DURAN,他@渋谷EggMan◆12/08 [FUMA FEST vol.2]@新木場 1st RING◆12/09   Unlucky Morpheus@新宿ReNY◆12/12 GUNS LOVE ROSES@大阪・umeda TRAD◆12/13 LEATHER ROSE,他@新宿Wildside◆12/15 [LIVE WIRE~tribute band night vol.5]AD/CD,TOWNZEN@青山レッドシューズ◆12/16 OMEGA DRIPP,VANISHING,SiCX@新宿FNV◆12/17 ALDIOUS@渋谷TSUTAYA O-EAST◆12/21 UVERworld@横浜アリーナ◆12/22 LUNA SEA@さいたまスーパーアリーナ◆12/23 LUNA SEA@さいたまスーパーアリーナ◆12/24 DIR EN GREY@ZEPP OSAKA BAYSIDE◆12/25   DIR EN GREY@ZEPP OSAKA BAYSIDE◆12/29 [ROCK BEATS CANCER FES vol.6]@EX THEATER ROPPONGI◆12/30 LOUDNESS@EX THEATER ROPPONGI◆12/30 J@渋谷TSUTAYA O-EAST

80 albums of 2018

あけましておめでとうございます。2018年はたくさんの素晴らしい音楽と出会うことができました。本年もそれ以上に多くの出会いがあることを願うとともに、自分なりにそうした作品の魅力を伝えていくお手伝いをすることができれば、と思っています。というわけで2018年のベスト・アルバムを選ぼうと思ってみたのだが、通常はいわゆるオリジナル・フル・アルバムに限定するところなのだけども、ベスト盤やリマスター及びリイシュー盤、サウンドトラック盤などのなかにも、そうした枠を超えた優良作品が目立ったこともあり、今回はそうしたものもすべてひっくるめてのセレクトとなった。というか、そうした作品を選べないとなると悔しいのでそういうことにした、というのが正直なところだ。結果的に80枚という中途半端な数になったのは、50枚にするとそうした純新譜ではないものを選出しにくく、100枚まで広げてしまうとさほど聴いてもいないものを選んでしまいそうになるからだ。また、なかにはフル・アルバムというサイズには満たないものも含まれている。ミニ・アルバムとEPと追加収録曲の多いシングル。それらの境界線の見極めも難しいところだが、今回は、明確にシングルという打ち出しをしているもの以外はすべて選択対象とした。自ら設けたその規定により残念ながら選外とせざるを得なかったのが、たとえばBAROQUE。一連のシングル曲がすべて収録されたアルバムが発表されていたなら、僕は迷うことなく選んでいたはずだ。というわけで、面倒な説明はここまで。ちなみに以下の全80作品に順位は付けていない。あくまでアーティスト名のアルファベット順に並べてある。これでもきっと「あ、あのアルバムを入れ忘れていた!」というのが今後いくつか出てくるはずなのだが。◆SPACEMAN/ACE FREHLEY◆RAINIER FOG/ALICE IN CHAINS◆HELIX/AMARANTHE◆QUEEN OF TIME/AMORPHIS◆A NEW KIND OF HORROR/ANAAL NATHRAKH◆EAT THE ELEPHANT/A PERFECT CIRCLE◆TRANQUILITY BASE HOTEL+CASINO/ARCTIC MONKEYS◆ARCHETYPE/THE ART OF MANKIND◆WORLD DOMINATION/BAND-MAID◆HEART OF THE HURRICANE/BEYOND THE BLACK◆THE WILD BUNCH/THE BLACK COMET CLUB BAND◆GRIMMEST HITS/BLACK LABEL SOCIETY◆ALL NIGHT BURNING/THE BLUE SCREAM◆WOKE/THE BONEZ◆No.0/BUCK-TICK◆KAI・TAI・SHIN・SHO/BugLug◆CARPENTERS with ROYAL PHILHARMONIC ORCHESTRA/CARPENTERS◆WE’RE ALL ARLIGHT/CHEAP TRICK◆THE ANSWER/THE CHERRY COKE$◆THE UNHEAVENLY CREATURES/COHEED AND CAMBRIA◆LIVE AT HAMMERSMITH/THE DARKNESS◆DESTROYED TO DISCORD, AND THE REASON/DALLE◆THE STORY SO FAR:The Best of…/DEF LEPPARD◆THE INSULATED WORLD/DIR EN GREY◆EVOLUTION/DISTURBED◆FACE/DURAN◆THE GHOST WARD DIARIES/ELECTRIC BOYS◆MADE AN AMERICA/THE FEVER 333◆PREQUELLE/GHOST◆WHEN LEGENDS RISE/GODSMACK◆ANTHEM OF THE PEACEFUL ARMY/GRETA VAN FLEET◆LOOKING FOR THE MAGIC/GRIM SPANKY◆APPETITE FOR DESTRUCTION (DELUXE EDITION)/GUNS N’ ROSES◆VICIOUS/HALESTORM◆SPEED METAL ASSAULT/HELL FREEZES OVER◆THE OATH OF ALLEGIANCE TO THE KINGS OF HEAVY METAL/HELLHOUND◆POWER/HER NAME IN BLOOD◆ELECTRIC MESSIAH/HIGH ON FIRE◆BOARDING HOUSE REACH/JACK WHITE◆地獄のロックンロールファイヤー/地獄ヘルズ◆BLACK LABYRINTH/JONATHAN DAVIS◆LEAN ON ME/JOSE JAMES◆FIREPOWER/JUDAS PRIEST◆MAN OF THE WOODS/JUSTIN TIMBERLAKE◆夜、カルメンの詩集/清春◆真夜中の徘徊者~ミッドナイトランブラー/首振りDolls◆WE ARE ALL BORN EVIL/LECHERY◆CATACOMBS/LIKE A STORM◆RISE TO GLORY -8118-/LOUDNESS◆Xlll/lynch.◆HIGH WATERⅠ/THE MAGPIE SALUTE◆RESISTANCE IS FUTILE/MANIC STREET PREACHERS◆GRACIA/浜田麻里◆REVENANT/MARY’S BLOOD◆KILLING IS MY BUSINESS AND BUSINESS IS GOOD-THE FINAL KILL/MEGADETH◆…AND JUSTICE FOR ALL(REMASTER DELUXE)/METALLICA◆SIMULATION THEORY/MUSE◆YEAR OF THE TIGER/MYLES KENNEDY◆BAD WITCH/NINE INCH NAILS◆PRAY FOR THE WICKED/PANIC! AT THE DISCO◆PEELS OFF/POLPO◆WOODSTOCK/PORTUGAL THE MAN◆FALLING-Ultimate Edition/sads◆LIVING THE DREAM/SLASH featuring MYLES KENNEDY and THE CONSPIRATORS◆STONE TEMPLE PILOTS/STONE TEMPLE PILOTS◆YOUNG & DANGEROUS/THE STRUTS◆THE BLUE HOUR/SUEDE◆IMMORTAL WARRIORS/SURVIVE◆AMERICA/THIRTY SECONDS TO MARS◆FROM ALTERNATIVE/THIS IS JAPAN◆DAY OF SALVATION/THOUSAND EYES◆A DYING MACHINE/TREMONTI◆u crack irigaru/u crack irigaru◆ABSURDITY/UNITED◆LIVING THE DREAM/URIAH HEEP◆THE WAKE/VOÏVOD◆DARKER THAN BLACK/VOLCANO◆USE MY KNIFE/WORLD END MAN◆ROCK SHOW/ZIGGY◆BOHEMIAN RHAPSODY/ORIGINAL SOUNDTRUCK

SUGIZOのお辞儀はどうして長いのか。

12月22日、さいたまスーパーアリーナでLUNA SEAを観た。そのラスト・シーンは、すべての演奏が終わり、ステージ中央で深々とお辞儀をするSUGIZOの静止画像。今回もそれは、まるで時間が止まっているかのようだった。ライヴの内容自体については改めてじっくりとどこかで書きたいと思うのだが、きょうはこのお辞儀に関するSUGIZO自身の発言を紹介しておきたい。こちらは『MASSIVE Vol.30』に掲載されているインタビュー記事からの抜粋で、取材が行なわれたのは去る4月上旬のこと。『LUV』に伴うツアーも佳境に入り、そのお辞儀の時間が日に日に長くなりつつあることを自覚している彼は、次のように語っていた。「毎回毎回、僕の最後の去り際のお辞儀が長くなっていくんです(笑)。何故あそこでお辞儀をするかというと、まずは目の前のオーディエンスへの挨拶。それに加えて毎回、ステージが始まる前と終わった直後に、死んだ仲間たちに話しかけているんです。そこにミック(・カーン)が出てきて、hideさんが出てきて、死んだ地元の親友やおばあちゃんも出てきて……。そして先週、僕の仲間の一人が亡くなったんです」ーーdownyの、青木裕さんのことですね?「そう。そうやって、先にあちらに行ってしまう仲間が増えていく。でも僕は、やつらとも一緒に音楽をやってるんですよ。hideさんもいつもそこにいるし、TAIJIさんもいる。かならずライヴの前後に、みんなに気持ちを送るんですよ。そうするとどんどん、お辞儀が長くなってしまう(笑)。そういうことなんですよね」僕は今夜も同じ場所でLUNA SEAを観る。僕も彼と共に、天上の人々へと想いを馳せようと思う。きょうは……青木さんが遺した素晴らしいソロ・アルバム『LOST IN FOREST』を聴きながら会場に向かうことにしようか。

発売当日に、訂正ではなく補足。

12月5日は『BURRN!』誌1月号の発売日です。表紙はQUEENです。1984年の同誌創刊以来、初めてのことです。「QUEENはメタルじゃないでしょ(苦笑)」みたいな声も一部にあるようですが、このバンドの素晴らしさを今ちゃんと伝えられるのはこの雑誌だと僕は考えています。めずらしく「ですます調」で書いていることに深い意味はありません。70年代のQUEENのインタビュー記事に対するオマージュでもありません。なのでここから普段の調子に戻そうと思うのだが、今回はこの巻頭特集の編集に携わりつつ、そのなかで「映画『ボヘミアン・ラプソディ』の正体」という読み物を書かせていただいた。是非お読みいただければ幸い……なのだが、改めて誌面を読み直してみて、「ああ、ここは言葉が足りなかった!」と感じた箇所があった。本文の中盤、‟Bohemian Rhapsody”の歌詞について触れているくだりに、以下のような文章がある。ーー主人公が殺めてしまったのは‟the man”であり‟a man”ではない。つまり、よくわからない誰かではなく、特定の男の生涯を終わらせてしまったのだーー実はこの原稿、最初に書き上げた段階ではこの1.5倍ほどの長さがあった。それを実際に掲載されているサイズにまで削っていったわけだが、そのプロセスにおいて僕は、どうやら説明的な要素を少しばかり削除しすぎてしまったようだ。上記の文章は、本来は、以下のようになる。ーーこの物語のなかで主人公が殺害してしまったのは、歌詞上では‟a man”。要するに“或る男”だ。しかし実際に彼が殺めてしまったのは‟the man”であり‟a man”ではない。つまり、よくわからない誰かではなく、特定の男の生涯を終わらせてしまったのだーーじっくりと内容を吟味し、何度も見直しを重ねながら完成させたつもりだったが、原稿をスリムに仕上げようとするなかで、削るべきではない箇所まで削ぎ落としてしまうことがある。今回もまさにそれ。反省。よりいっそうの注意を心掛けたいものだ。というわけで、こちらの記事のご感想、お待ちしております。他にDEF LEPPARDの来日取材記事、JUDAS PRIESTの札幌公演速報レポートなども担当。JUDAS PRIESTのライヴ写真も、へっぽこカメラマンの俺にしては上出来ではないか、と。

『ボヘミアン・ラプソディ』と、7分超のヒット曲。

反響が大きくなっていくにつれ、重箱の隅をつつかれることも増えてくる。もはや記録的ヒット作になりつつある『ボヘミアン・ラプソディ』についてもそれは同じで、映画上で描かれていることすべてが事実であるわけではなく、時制のズレも多々あるということがすでにあちこちで語られている。が、そこで「なんだよ、嘘なのかよ」みたいなことにならないのは、この映画自体がとても丁寧に、愛情と敬意をもって作られているからこそだろう。僕自身はこれまで劇場で3回、それ以前に試写などでも数回この映画を観てきたが、初めて観たときに、QUEEN自体の歴史とは関係のないところでも「あれ? ちょっと時制がズレてないか?」と思わされるところがあった。たとえばEMIの重役室で、6分にも及ぶ“Bohemian Rhapsody”をシングルにしたがるメンバーたちと、シングルは3分程度であるべき、という誰が決めたわけでもない鉄則を曲げようとしない会社側がやりあうシーンでのこと。バンド側に助け舟を出そうと、ポール・プレンター(役のアレン・リーチ)は「だけど“MacArthur Park”は7分でもヒットした」という一言を放つ。それに対してメンバーたちは「余計なこと言うな」という顔をする。“MacArthur Park”は、ディスコの女王(すごく時代がかった称号ですね)と呼ばれたドナ・サマーのヒット曲のひとつとして知られている。しかしこの曲が全米No.1に輝いたのは1978年のこと。“Bohemian Rhapsody”のシングル、そして同楽曲を含む『A NIGHT AT THE OPERA』が世に出たのは1975年10月~11月のことだから、これはどう考えてもおかしい。ただ、実はこの“MacArthur Park”はドナ・サマーのオリジナルではなく、ジミー・ウェッブの作によるもの。最初にこの曲を歌ったのはアイルランド出身の俳優兼シンガー、リチャード・ハリスで、そのシングルは1968年にリリースされ、7分を超える長尺曲でありながら、全米2位に。さらにオーストラリアでは1位になっていて、イギリスでも最高4位を記録している。映画のなかでポールは「(北アイルランドの)ベルファスト出身」と語っているが(余談ながら彼を演じたアレン・リーチもアイルランド出身だったりする)、アイルランドでもこの曲はシングル・チャートでトップ10入りを果たしている。というわけで、このシーンにおけるポールの発言が指しているのは、少年期の彼が耳にしていたリチャード・ハリスのシングルということになる。ただ、ひとつ面白いのは、オリジナルのヒットから10年を経てこの曲をさらに広く知らしめたドナ・サマーの、デビュー当時の立ち位置だ。‟MacArthur Park”当時にはすでにディスコの女王(やはりすごい称号だ)として世界に名を轟かせていた彼女だが、最初のヒット曲、‟Love To Love You Baby”が生まれたのは1975年6月のこと。つまり、『A NIGHT AT THE OPERA』の制作当時に流行っていた彼女のシングルは、こっちだということになる。しかも、歌よりも溜息のほうが目立つくらいのこの官能的チューンのアルバム・ヴァージョンは17分近くあったりもする。要するに、ディスコで長時間踊らせるための曲だったわけだ。ちなみに‟MacArthur Park”についても、シングル・ヴァージョンは比較的コンパクトにまとめられているものの、アルバムでは8分超だったりする。しかも彼女が当初、活動拠点としていたのは、アメリカ本国(彼女自身の出身地はボストン)ではなくドイツのミュンヘン。一時はそこで、バックアップ・シンガー兼モデルとして働いていたのだという。そして同地のプロデューサー、ジョルジオ・モロダーに見いだされ、前述の‟Love To Love You Baby”で成功を掴んだのだった。同楽曲はそのままモロダーの代表作のひとつにもなり、彼の手による官能的ディスコ・ミュージックは、ミュンヘン・サウンドなどと呼ばれるようになった。のちにフレディの活動現場となり、映画におけるもうひとつの舞台となったミュンヘン。そのクラブ・シーン(もっと露骨に言えばゲイ・クラブ・シーン)において、当然ながらドナ・サマーは持て囃されていたはずだ。だからこそ、この映画において、フレディをそのシーンに導いた存在であるかのように描かれているポールが‟MacArthur Park”のタイトルを口にする、というのがとても興味深い。実のところ、本当に当時そうしたやり取りがあったのかどうかはわからない。ただ、ちょっと時制をずらしてやると、不思議な合致が生まれたり、嘘みたいに辻褄が合ってしまったり、微妙な‟含み”がそこに生まれて、謎解きのような面白さが生じることがある。『ボヘミアン・ラプソディ』には、というか、史実を題材にした映画というのには、そうした捩じれた面白さもあるのだ。というわけで、まだまだヒットが続きそうな『ボヘミアン・ラプソディ』。次に劇場に足を運んだ時には、また新しい発見や“気付き”があるかもしれない。

不愉快な出来事があっても感動は消えず。

先日、午前中から渋谷で『ボヘミアン・ラプソディ』を観た。劇場での鑑賞はこれで3回目。もちろんその前に試写でも観ているわけだが、そのたびに新しい発見があるとまでは言わないけども、何かしらの”気付き”があったり、やっぱりいつものところで勝手に涙が溢れてきたりする。やはりすごい映画だ。きっと、まだもう何回か通うことになるのだろうな。映画はたいがいひとりで観ているのだが、今回は妻とふたりで。こういう機会が訪れるのはせいぜい数年に一度。ふたりで呑みに行くことはときどきあっても、昼間の街を一緒に歩く機会というのも滅多にない。そこで映画鑑賞後、せっかくだから外で昼食をとろうという話になり、飲食店がいくつも入ったビル内にあるイタリアン・レストランに入った。ちょうどランチタイムということもあって店内はわりと賑わっていたが、運良くすぐにテーブル席に通され、ふたりとも〈本日のパスタランチ〉みたいなもののなかから同じものを選んで注文した。同じものを頼んだほうが多分早いよね、なんてことを言いながら。少し経つと隣の席にはサラリーマン5人組が入ってきてバラバラなものを注文していた。ランチにはサラダバーがついているというので、まずはサラダを。ところがそれを食べ終えてしばらく経ってもなかなか肝心のパスタがやってこない。オーダーを聞いてから茹で始めているにしてもちょっと時間がかかりすぎだよな……と思っているとウェイターが近づいてきたのだが、彼が抱えたふたつのパスタ皿は、隣のテーブルへ。間違いなくこちらが注文したのと同じものだ。「えっ?」という感じではあったが、「それ、こっちのじゃないですか?」という言葉は呑み込んだ。「きっとまとめて4皿ぶん作ったのだろうし、単純に持ってくる順番を間違えただけだろうから、こっちにもすぐ来るはず」と思っていたからね。ところがその直後、同じウェイターが今度はそのパスタをひとつだけ持ってきて、ちらりと伝票を確認しながら「もうひとつすぐにお持ちしますので」と言う。ちなみにそのときに「すみません」の一言は無し。だが、その時点ではまだ、彼が口にした「すぐに」という言葉を信じていた。ひとつだけ届いたパスタを間に挟み、妻は「私、もうちょっとサラダ食べるから、先に食べてて」と言う。僕は麺類を食べるのが特に速いのでちょっと嫌だったのだが、仕方なくゆっくりと食べ始めた。しかし「すぐに」という約束は守られることなく、もう一皿のパスタが届けられる気配がない。さきほどのウェイターのほうを見ていたら、一度は視線が合ったのだがすぐに目を逸らされた。そして僕のパスタがもう残り2口ぐらいになった頃、妻が「それを食べ終えたら帰ろう。私、食べたくなくなっちゃった」と言う。すると面白いもので、例のウェイターがふたたび現れ、彼女の前に皿を差し出したのは、僕が自分のパスタを間食した直後だった。「お待たせしました」彼は確かにそうは言ったが、詫びの言葉は皆無だった。妻は「いえ、もう結構ですから」答える。うろたえるウェイター。「同じものを頼んで、どうしてこういうことになるんです?しかも後から来た隣のテーブルよりも遅いというのはどういうこと?」と僕が尋ねると、彼は「パスタはソースの違いによりできあがる順序が異なる場合があります。隣の方はオリーブオイルソースのパスタでしたので」とよどみなく言う。この店のランチのパスタは3種類あった。そして隣りのテーブルの5人組のうち何人かは実際、オリーブオイルソースのパスタを食べていたようだ。が、そのうち2人は間違いなく僕らが注文したのと同じトマトソースのものを食べていた。「いえ、お隣も同じものを頼まれていましたよ」と告げると、それでもウェイターは「いえ、あちらは……」と言いかけたが、どうやら隣のテーブルにトマトソースで汚れた食後の皿があるのが目に入ったようで、続けるべき言葉を失っていた。そして僕たちが席を立とうとすると「飲み物はどうするんですか?」と尋ねてきた。確かに食後の飲み物も頼んではいた。が、僕らはパスタが食べたくないわけではなくこの店が嫌になったわけで、そんなもの要るはずもない。僕らの意志が固いことに気付くと彼は、今度は伝票を片手に「あ、1,000円で大丈夫です」と言ってきた。1人前の料金だけでいいし飲み物代は不要、という意味だ。でも「大丈夫」ってどういうこと? もちろん「お代は結構です」と言わせたかったわけじゃないし、「責任者を呼べ」と言うつもりもなかった。何か余計な言葉を発する気力も失うほど、腹が立った。「ソースが違うから」などとテキトーな言い逃れをしながら謝罪をしようとしなかったそのウェイターにも、会計をしている間にこちらをチラチラ見るばかりで何も言おうとしない他の従業員にも。そもそも僕らふたりと隣のテーブルだけで、同じパスタの注文が4皿入っていたのに、3皿分しかオーダーが通っていなかったわけだ。しかも伝票をチラ見した時点で、こちらの注文が先だったことにも気づいていたはず。なのに彼は謝罪の言葉を一切口になかった。帰り際、僕は「このお店ではミスをしても謝らないんですか?」と聞いたが、答えはなかった。おそらく彼にはミスをしたという自覚もないのだろう。あとから思ったのは、パスタが一皿だけ持ってこられた時に「ふたつ同時に持ってきてください。そうでないなら要りません」と言うべきだったかな、ということ。ただ、あの時点ではただ単に順番を間違えただけなのだろうと思っていたし、「すぐに」という言葉を疑っていなかったのだ。まさかそれから10分以上待たされることになるとは思ってもみなかった。というわけで、こうして『ボヘミアン・ラプソディ』の感想を語り合いながらの楽しい時間になるはずだったこの日のランチは、ちょっと嫌なムードで終わった。パスタの味は悪くなかったけども、あの店にはもう二度と行く気がしない。ただ、また夫婦で映画を観には行こうとは思う。ちなみに同日の帰宅以降、我が家でその店のことが話題になることは一切ないが、QUEENとあの映画に関する会話は止まることがない。妻は今、僕が読み終えた『フレディ・マーキュリーと私』を読んでいる。

11月24日。記憶の連鎖。

記憶の収納庫のなかでは、忘れがたい出来事とそれに伴う比較的どうでもいいことがセットになって保管されていたりするもの。要するに何かひとつ重要なことを思い出すたびに、同じ頃に起きたわりとどうでもいいことまで思い出してしまったりする、ということだ。11月24日はフレディ・マーキュリーの命日である。1991年、僕はその訃報を何の因果かロンドンで聞いた。実際にロンドン入りしたのは11月25日のこと。確か彼がエイズに冒されていることを公表したというニュースを新聞で読んだその日に旅立ち、現地到着後すぐにそれを知らされたのだった。実は同じ日に、KISSのドラマーだったエリック・カーも他界している。だからフレディが亡くなった時のことを思い出そうとすると当然のように彼のことも思い出されるし、その渡英時に取材したカート・コバーンがそれから2年半も経たないうちにこの世を去ってしまった時の記憶も鮮明に蘇ってくる。この時の記憶については12月5日発売の『BURRN!』誌1月号でも書いているのだが、そこでは書かなかったことをこの場には書き記しておきたい。そうした記憶の連鎖のなかで僕が考えさせられるのは、自分の仕事の、あるべきスタンスについてだ。英国出張から帰還するとほどなく『BURRN!』2月号(1992年1月発売号)の編集会議があり、その場で僕の担当記事がひとつ増えた。編集長から、フレディの追悼記事を書くよう指示されたのだ。正直に言うと、僕は嫌だった。悲しいからではない。ヘヴィ・メタル専門誌の『BURRN!』では、それまでQUEENをろくに扱っていなかったからだ。確かにフレディの死は大きな事件だったが、そういう時にだけ記事するというのはなんだか納得できなかった。そこで僕は「エリック・カーの他界についても同等に扱って良いのならば二人についての追悼記事を書きたい」と申し出、結果、それを書くことになった。その翌年4月、ロンドンのウェンブリー・アリーナでフレディの追悼コンサートが開催されることになった。当然のことながら、どうしても観たかった。けれども今度は「QUEENは本誌で扱ってきたバンドではないから」という理由で、編集部としての出張許可が下りなかった。結局、僕は休暇をとって自腹で飛んだ。しかも日本のレコード会社では公演チケットを確保できないということで、普通に団体旅行に申し込んだのだ。実際、そのライヴはこれまでの人生のなかで体験してきたすべてのなかでも特に素晴らしいと思えるものだったから、僕がたびたび渡航するのを嫌っていた母親に「出張だから仕方がない」と嘘をつきながら現地に飛んだことについての後悔はまったくなかった。ただ、実費で渡航していながら僕は現地滞在中にMETALLICAやSEPULTURAの取材も行なっており、当然ながらフレディ追悼コンサートの記事も書くことになったわけで、そこについては「なんだかなあ」というわだかまりが少しばかり残ったのだが。実は1991年11月の渡英も自腹出張だった。よくそんなに金があったものだとも思う。なにしろ当時の僕は、いち編集部員、つまり会社員であるわけで、どんなに記事を書いても固定給以上の何かをもらえるわけではなかった。当時の自分の経済状態についてはあまりよく憶えていないのだが、逆に大きな借金を抱えていた記憶もないから、かなり倹約していたのだろうな、と今さらながら感心させられる。で、何を言いたいのかといえば、当時のそうした「これはどうしても観たい、取材したい」という気持を失わずにおきたい、押し殺さずにいたい、ということ。正直、そうして実費出張を重ねていた僕に対して「会社が編集者の意欲に甘えすぎているんじゃないか? 仕事のために自分の金を使うべきではない」と助言してくれる先輩方も業界内の身近なところに何人かいた。それはもっともな話だと思えたし、自分がしていることのほうが間違いなのだという自覚もあった。だけども僕は、自分の取材頻度を落としたくなかった。アルバム完成時に現地取材をした相手については、その作品に伴うツアーの取材もしたかったし、そうして取材の機会を重ねながら、アーティスト自身やその側近たちとの信頼関係が築かれていくのを止めたくなかった。結果、そうしたものがあったからこそ僕はその後、『MUSIC LIFE』を任されることにもなったのだと思うし、編集部を離れてフリーランスになってからも、なんとか仕事を続けてこられたのだと思う。とはいえ正直なところ、50代後半になった自分が今のようなスタンスで取材活動を続けているとは思ってもみなかったが。さすがに固定給という基盤のない現在(というかここ20年)は、観たいライヴがあるからといってそのたびに実費渡航することは容易ではなくなっているし、ただでさえ好きなものの多い僕の場合、そうしたすべてを追っていくことには無理がある。が、何かをやりたいと思った時、何かについて自分ならばベストな記事を作れると思った時に、それを口に出さずにいれば、その機会は勝手に失われていく。だから僕は、もちろん1991年当時のような動き方をするには無理があるけども、黙って依頼を待ちそれに対応し続けるだけ、というスタンスではありたくない。しかも今の僕には、かつてのような「これからもっと大きくなりそうなものを追いかけること」のみならず、「素晴らしい歴史を良い形で伝えていくこと」というミッションも増えつつある。誰が、いついなくなってしまうかわからない。もちろん自分自身だって同じことだ。ならば僕は、あの頃の自分が恥ずかしがらないような今とこれからを過ごしたい。そんなことを思いながら、あれから27年を経た11月24日、フレディが死と向き合いながら制作に取り組んだ『INNUENDO』を聴いている。そして最後にひとつだけ補足を。誤解して欲しくないのだが、僕はなにも、当時の酒井編集長を恨んでいるわけではない。仮に自分が編集長だったとしてもそうやすやすと出張を許可したりはしなかっただろうと思う。むしろ僕のこうしたスタンスができあがったのは……いや、ここから先は書かずにおこう。今となってはどうでもいいことだ。どうせ風は吹くんだし。

THE STRUTSをMLの表紙にしたかった。

THE STRUTSの第2作『YOUNG & DANGEROUS』が素晴らしい。全日本プロレスの『チャンピオンカーニバル』並みにベタなタイトルだけども、とにかく素敵な曲がぎっしり詰まっていて、繰り返し聴いても全然飽きが来ない。正直、少しばかり不安だった。実は前回の来日時に4曲ほど新曲を試聴させてもらっていて、そのなかに‟Primadonna Like Me”なども含まれていたのだけども、すべてがシングルになりそうな曲であると同時にそれぞれ色味が異なっていて、ちょっと拡散に向かいすぎなんじゃないかとも思えたし、誤解を恐れずに言うと、器用なバンドがプロデューサーのおもちゃにされてしまうような怖さも少しばかり感じさせられたのだ。しかしそんな心配は無用だった。前作と同様、外部のソングライター・チームとのコラボなども目立つし、複数のプロデューサーを楽曲によって使い分けているが、非常にヴァラエティに富んだ内容でありながら散漫な印象とは無縁で、狭そうでいて広いハード・ロックの枠に収まりきらないこのバンドの魅力が存分に活かされている。また、前述の通り外部ライター云々という部分はあるにせよ、ルーク・スピラー(vo)とアダム・スラック(g)が全体を通じて曲作りの核となっているし、メンバーのみの手による楽曲もあり、それらが弱く感じられることもない。プロデューサー陣のなかでは、あのブッチ・ウォーカーの起用が興味深い。今後、両者の付き合いが深くなっていくことを期待している。実は、こちら(↓)でアルバム評を書かせていただいた時点ではクレジットが手元になく細かい事実関係を確認できずにいたのだが、「〈現代版グラム・ロック〉とか〈クイーンの再来〉といった形容を軽く超越してしまうポップ娯楽作」という印象は変わらないどころか聴くほどに強くなってきている。