ついこないだ年が明けたばかりだと思っていたのに、2021年も後半に突入してしまった。数日前には「今月末で期限切れのポイントがあります」みたいなお知らせメールをいくつか目にしていたから、6月が終わることに気付かずにいたわけではないのだが、1年の半分がすでに終わってしまったのだと思うと例によって「ああ、今年も思っていたことの半分もできていない」という気分にさせられる。今年もそうだということは、それが自分本来のペースだということでもあるのだろうけども。
昨日から今日にかけて、この6月末日をもって歴史を閉じたものがいくつかあることを知った。まずは東京は九段下にあるホテルグランドパレス。1972年開業という、この日本武道館のすぐ近くにあるホテルの営業が同日をもって終了した。
東京生まれ、東京育ちの僕は、都内のホテルに泊まったことはごくわずかしかなく、来日アーティストの取材時に行ったことのあるホテル以外ほとんど馴染みがないのだが、ここは武道館で誰かのライヴを観たあと、まれに何人かで食事に訪れたりすることがあった。よく憶えているのは1986年、BON JOVI初の武道館公演(通算三度目の来日時)を観た帰りに何人かで立ち寄り、当時、MUSIC LIFEの編集長だった東郷かおる子さんと、その日のライヴがいかに素晴らしかったかについて熱っぽく話をしたこと。当時の僕は創刊からまだ2年経っていないBURRN!の編集部の一員だったわけだが、中学時代から愛読してきた雑誌の編集長とライヴ観覧後の感想を話しているという現実に不思議さを感じていたはずだ。
あと、このホテルでは双方の雑誌の発行元であるシンコーミュージックの忘年会が行なわれていた時期もあった。ある年に武道館公演を控えていたKISSのジーン・シモンズからFAXをもらい、「武道館の近くに、宴会場のあるホテルはないか?」と質問されたときにもこのホテルを紹介したものだ。彼らはその年、KISS EXPO的なイベントを開催することを考えていたのだった。残念ながらその際には実現には至らなかったけども。
もうひとつ6月30日に終了したものがある。チケットぴあの実店舗の営業だ。
ちょっと前にそんな話を聞いていた気もするが、ツイッター上にこの画像を目にするまですっかりそのこと忘れていた。そしてこの文面を読んで、チケットぴあが始まったのが1984年だったということを知った。BURRN!の創刊と同じ年だ。
チケットぴあができる以前は、いつもプレイガイド(もしかして、もはや死語?)に並んでチケットを買っていたものだ。ときには徹夜して並ぶようなこともあった。好きなアーティストを少しでも良い席で観るために、そんなことをしていた当時のことも懐かしい。今もコンサート・チケットの販売方法が当時と同じままだったなら、僕は同じように何時間も並んでいたのだろうか? 還暦にもなってさすがにそんなことはしないだろうとも思うが、いくつになってもそういうことをする自分でありたいという気持ちもどこかにある気がする。
いやあ、それにしてもグランドパレス営業終了は残念。もう一度、あの貝柱のピラフを味わいたかった。
増田勇一のmassive music life
いつのまにか還暦を過ぎてしまった音楽系モノカキの、 あまりにも音楽的だったり、案外そうでもなかったりする 日々。
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