8月10日は鳩の日でしたね🕊

昨日、8月10日は「810(はと)の日」ということでcluppoの新曲がリリースされ、インタビュー記事も公開になった。もうすでにたくさんのご感想をいただいているのだが、まだの方は是非お読みいただければ幸いだ。

BAND-MAID界隈の取材をするようになってからというもの、鳩といえば小鳩ミクさんを連想するようになっているが、以前の僕は鳩という言葉を聞くたびに何故かロバート・プラントを思い出していた。いや、何故か、ではなくちゃんと理由があるのだ。

あれは1994年11月のこと。ジミー・ペイジとロバート・プラントのご両人が、PAGE PLANT名義でのアルバム『NO QUARTER』のプロモーションのため来日し、当時、MUSIC LIFE誌編集長だった僕は幸運にも2人揃ってのインタビューをする機会に恵まれた。その際の会話の中で、実は「鳩」がキーワードになったのだった。

こちらの質問をきちんと聞いて丁寧に答えてくれるペイジと、ちゃんと質問内容を把握しているくせに訳の分からない冗談しか返してこないプラント。ロック界の巨人たちとのインタビューは、そうした2人の違いを実感できる貴重な機会になったのだが、その終盤、僕が意を決して彼らにぶつけたのは「ジョン・ポール・ジョーンズに声を掛けなかったのは何故ですか?」という質問だった。その少し前にジョーンズ自身があるインタビュー記事で「僕に声を掛けてくれれば話は早かったのにね」といった内容の発言をしていたのを読んでいたからだ。そして、この質問に対するロバート・プラントの回答は以下のようなものだった。

「実は彼は電話料金を払っていなかったようで、連絡がつかなかったんだよ。だから仕方なく、何羽かの鳩を飛ばしてみたんだが、どうやら辿り着かなかったようでね」

発言の最後のほうはジミー・ペイジも含めその場に居た全員の爆笑によりかき消されたが、こんな感じだった。ちなみにこの話にはさらなるオチがあって、その後、ジョン・ポール・ジョーンズの来日時に取材する機会があり、その際に「実はプラントがこんなことを言ってたんですよ」と告げたところ、「伝書鳩?」と呆れた顔をしてみせた彼は「なるほどね。でも、その答えを聞いてキミにもわかっただろう? 彼と僕のどちらがより信用に足る人間であるかが」と答えたのだった。

ちなみにこのPAGE PLANTのインタビューは、MUSIC LIFE誌の1995年1月号に掲載されているが、去る3月にシンコーミュージックより刊行された『ペイジ&プラント大全』の中でも当時の記者会見の模様と共に復刻されているので、興味のある方はチェックしてみて欲しい。



というわけで、これまでは鳩を目にするたびにロバート・プラントの皮肉交じりの笑顔を思い出していた僕だが、どうやらそうした症状はcluppoのおかげですっきりと解消されたようだ。おあとがよろしいようで🕊


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増田勇一のmassive music life

いつのまにか還暦を過ぎてしまった音楽系モノカキの、 あまりにも音楽的だったり、案外そうでもなかったりする 日々。