19回目の神経衰弱ならぬ、20回目の……

3月15日は確定申告の締め切り日。例年、間に合わないことが多いのだが、今年はきっちり数日前に提出を済ませることができた。この時期に原稿の締め切りが集中していなかったおかげでもある。

よくよく考えてみたら、フリーランスになってちょうど満20年になるのだった。確定申告も今回でちょうど20回目。最後に作ったMUSIC LIFEは1998年4月号で、3月9日発売だったから、会社を辞めたのは3月末だったのだろうと思い込んでいたのだが、実はその号を作り終えて、発売を待たずに2月いっぱいで辞めていたのだということを思い出した。というわけで、退職20周年のタイミングに馬鹿騒ぎでもすれば良かったかな、などといまさら思ってみたりする次第である。

しかしまあ、我ながらよくやってきたものだと思う。退職したその日くらいは〈来月から自分には締め切りがひとつも来ないのかもしれない〉的な不安を抱えていたかもしれないが、おかげさまでそれからもずっと締め切りに追いかけられる生活を続け、気付けばフリーランス生活のほうが会社員生活よりも長くなってしまっていた。しかも僕には定年なんてものがないし、これからどこかに所属するということもないだろうから、きっと死ぬまでフリーランスなのだ。いったいあと何回、確定申告をすることになるのだろう? 毎年面倒ではあるのだが、申告書作成の作業に没頭している時というのが、自分が社会的にどういう立場であるのかをいちばん実感させられる瞬間といえるかもしれない。

MUSIC LIFE 1998年4月号

自分の手掛ける最後の号の表紙はどうしてもこの2人にしたかった。編集長としての最後のわがままがそれだったかも。

2コメント

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  • mxlbose

    2018.03.15 14:45

    @チームイズミありがとうございます! これぞまさに「welcome back to the jungle」の号だったわけで、不思議な縁もあるものだなあというか、縁を呼ぶことって可能なのかもしれないな、などと思わされます。
  • チームイズミ

    2018.03.15 14:08

    この表紙のML誌をあの書店で、見つけた時の表紙のカッコ良さにどのようなリアクションで手に取ったか、その心境まではっきりと覚えてます。もう20年なんですね。増田さんの20年、私の20年…。思いが深い、深過ぎる1冊です。もちろん今も大切に取っています。

増田勇一のmassive music life

いつのまにか還暦を過ぎてしまった音楽系モノカキの、 あまりにも音楽的だったり、案外そうでもなかったりする 日々。