アムステルダム出張日記【5】

アムステルダムに到着した4月25日の夜(現地時刻)、ホテルの部屋でMETALLICAのtwitterをチェックしてみたところ「Pop-up shop、本日オープン!」というツイートを発見。「こんな重要情報を知らずにいたなんて!」と少しばかり焦ったが、営業時間は11時から18時までとのことなので、事前に知っていたとしても現地到着当日に行くことは叶わなかったことが判明。というわけで、翌日の最優先事項が決まった。店があるのは「アムスのへそ」などとも呼ばれる街の中心、ダム広場の近く。やや方向音痴な増田でも地図無しで行けるところなので、滞在2日目となる26日は開店時刻を前にそこに向かうことにした。

翌日、目的地に到着したのは午前10時45分のこと。店舗自体は小ぶりだが、すでに開店待ちの人たちが20人ほど整列させられていて、すぐそばにある『マダム・タッソーろう人形館』の入場口よりも賑わっていた。すぐさまその列に加わると、15分後には教会の鐘が鳴り響き、その鐘の音が11回聞こえてきたところで店の扉が開けられた。ただ、入店者の人数制限を設けているようで、あともう2~3人というところでセキュリティにストップをかけられてしまった。以降は、店からひとり出てくるたびに次のひとりが入店できるという徹底ぶり。このへんの仕切りがきっちりしているのも実にMETALLICAっぽい。利用したことのある人ならばわかると思うが、彼らのオフィシャル・サイトで買い物をすると、日本国内に配送拠点があるんじゃないかというくらいのスピードで荷物が届いたりする。

10分ほど待ったところで順番がまわってきて、いよいよ店内へ。フロアは狭いものの二階建てになっていて、『72 SEASONS』に伴うものを中心に商品がわかりやすく陳列されている。片っ端から手を出したくなるところだが、そこでしか買えなさそうなものを中心にセレクトして購入。それでも結構な量で、ショッピングバッグふたつになった。このビニールバッグ自体もいい土産になる。会計の際、レジの女性が僕の後ろに並んでいたアジア系の女性に「どちらから?」と声を掛けると「マレーシア」との回答が。彼女にとっては今回が初めてMETALLICAを観る機会になるのだという。「僕は日本から来たんですよ」と告げると、レジの女性は感慨深げな表情で「世界は狭いわね! まるでMETALLICA万博という感じ」などと言っていた。

そして精算時、レシートと一緒に1枚のカードを手渡された。名刺サイズのこのカードが実はとても重要。「OPEN AND SCAN TO WIN THE SNAKE PIT」と書かれてある通り、スネイクピットへのアップグレード権が懸かった抽選カードで、シールを剥がすと二次元コードがあり、それを読み込むと当落が判明するという仕組みになっているのだ。METALLICAの今回のツアーではフロアの中央にセンターステージが設けられ、しかもその中に観客が収容できるスペースが作られているが、メンバーを至近距離で観られるそのスペースこそがスネイクピットと呼ばれている聖域なのだ。

さっそくスキャンしてみたところ残念ながら僕は落選だったが、なんだかこういうのは夢があっていい。しかも支払いを終えて外に出ようとしたところ、店内のスタッフが「写真をお撮りしましょうか?」と声を掛けてくれる。こうした配慮も最高。もちろん、店内でのろのろと自撮りされるよりは「はいチーズ、お帰りはあちら」という具合に来店者を誘導できたほうが効率的で良いというのもあるのだろうが、そうしたことひとつをとっても「METALLICAはさすがだな」と思わされた。そして店外に出てみると、来た時よりもずっと長い入場列ができていた。公演当日の明日(27日)になればもっと増えるだろうし、地元オランダの人たちばかりではなくライヴを観に来ている各国のファンが訪れることになるのだろう。

買い物を終えた後は、ダム広場でフライドポテトの昼食を。軽く済ませようと思ってSサイズを購入したのだが、ボリュームがありすぎて腹いっぱいになってしまった。ポテトは太めのカットで二度揚げしてあり、カリカリでホクホク。こちらではケチャップではなくマヨネーズがトッピングに付けられるのが普通で、しかもそれがなかなか濃厚な味わい。これを毎日食べていたら大変なことになるよな、などと思いながら、ひとまず荷物を置きにホテルへと戻っていったのだった。この続きは、また近いうちに。

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増田勇一のmassive music life

いつのまにか還暦を過ぎてしまった音楽系モノカキの、 あまりにも音楽的だったり、案外そうでもなかったりする 日々。