BON JOVIのデビュー・アルバムが日本でリリースされたのは1984年5月21日のこと。その発売40周年を記念して、今年からこの日は「BON JOVIの日」ということになったのだとか。
このアルバムの3曲目に収録されている“She Don't Know Me"を聴くたびに思い出すことがある。この曲には当初、”愛は蜃気楼”という邦題が付けられていたのだが、日本でシングルカットされた際には、普通に原題のカタカナ表記になっていた。そしてこの曲のビデオ・クリップが到着した頃、仕事でたまたま発売元のレコード会社を訪ねていたのだが、その際に宣伝担当者の男性が、どこかのテレビ局に電話でこの曲を熱心に売り込んでいる様子が聞こえてきたのだった。
「BON JOVIの新しいビデオがようやく届いたんですよ、ええ、はい」
ここでおそらく先方からは「どんなビデオなんですか?」という質問があったのだろう。それを受けて、その担当者が口にしたのは、次のような言葉だった。
「ええと、BON JOVIがですねえ……歩いているんです!」
その言葉が聞こえてきた時は、笑いをこらえるのが大変だった。『アルプスの少女ハイジ』のクララじゃあるまいし、ジョン・ボン・ジョヴィが歩いているからといって驚きには値しない。おそらく担当者としては「演奏シーンばかりではなくロケで撮られている場面があって、これがなかなかカッコいいんですよ」みたいなことを言うべきところだったのだろうが、この一件ゆえに僕はいまだにこの曲を聴くたび、ニヤニヤさせられてしまうのだった。
それはともかく、当時のジョンはあまり気に入っていなかったと言われているこのシングル(オリジナル曲じゃないしね)、僕は結構好きだったりする。とにかく、40周年おめでとうございます。
増田勇一のmassive music life
いつのまにか還暦を過ぎてしまった音楽系モノカキの、 あまりにも音楽的だったり、案外そうでもなかったりする 日々。
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