12月22日、さいたまスーパーアリーナでLUNA SEAを観た。そのラスト・シーンは、すべての演奏が終わり、ステージ中央で深々とお辞儀をするSUGIZOの静止画像。今回もそれは、まるで時間が止まっているかのようだった。ライヴの内容自体については改めてじっくりとどこかで書きたいと思うのだが、きょうはこのお辞儀に関するSUGIZO自身の発言を紹介しておきたい。こちらは『MASSIVE Vol.30』に掲載されているインタビュー記事からの抜粋で、取材が行なわれたのは去る4月上旬のこと。『LUV』に伴うツアーも佳境に入り、そのお辞儀の時間が日に日に長くなりつつあることを自覚している彼は、次のように語っていた。
「毎回毎回、僕の最後の去り際のお辞儀が長くなっていくんです(笑)。何故あそこでお辞儀をするかというと、まずは目の前のオーディエンスへの挨拶。それに加えて毎回、ステージが始まる前と終わった直後に、死んだ仲間たちに話しかけているんです。そこにミック(・カーン)が出てきて、hideさんが出てきて、死んだ地元の親友やおばあちゃんも出てきて……。そして先週、僕の仲間の一人が亡くなったんです」
ーーdownyの、青木裕さんのことですね?
「そう。そうやって、先にあちらに行ってしまう仲間が増えていく。でも僕は、やつらとも一緒に音楽をやってるんですよ。hideさんもいつもそこにいるし、TAIJIさんもいる。かならずライヴの前後に、みんなに気持ちを送るんですよ。そうするとどんどん、お辞儀が長くなってしまう(笑)。そういうことなんですよね」
僕は今夜も同じ場所でLUNA SEAを観る。僕も彼と共に、天上の人々へと想いを馳せようと思う。きょうは……青木さんが遺した素晴らしいソロ・アルバム『LOST IN FOREST』を聴きながら会場に向かうことにしようか。
MASSIVE Vol.30(2018年6月12日発行)
増田勇一のmassive music life
いつのまにか還暦を過ぎてしまった音楽系モノカキの、 あまりにも音楽的だったり、案外そうでもなかったりする 日々。
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