ライヴやイベントの中止・延期、ライヴハウスやバーの休業告知が続くなか、「自粛と補償はセットでしょ?」という話はひとまず置いといて、この場では取り急ぎの告知を。僕自身が関わっている催しの中止・延期についていくつかご報告しておきたい。
まず、4月5日(日)に東京は新宿・Wildsideで開催される予定だった『METAL BATTLE JAPAN 2020』の決勝ラウンドが中止となった。これはドイツで毎年開催されている巨大メタル・フェス『WACKEN OPEN AIR』で行なわれているMETAL BATTLE、すなわち各国の代表バンドによるコンペティションへの出場を賭けてのコンテスト的イベント。一昨年はEND ALL、昨年はVANISHINGが優勝の栄冠を勝ち取っている。日本では2011年から実施されてきたもので、僕は初回からほとんどの年に審査員を務めてきたのだが、今年は残念ながら開催が見送られることになった。
実のところ、これまでこのバトルに参加してきた諸外国でも同様のイベントが中止になっている。もちろん〈右へ倣え〉的な理由で判断が下されたわけではないが、ここで無理やり日本でのコンテストを強行したり、無観客で実施してみたところで、7月末から8月初頭に予定されている『WACKEN OPEN AIR』自体が無事に行なわれるという確証もない。現時点ではフェス自体の開催中止の可能性については何ひとつ公式には語られていないが、欧米の大型フェスの中止発表が相次いでいる現状があるだけに楽観視はできない。せっかく国内大会で優勝を勝ち取ったのにフェス自体が中止となっては話にならないし、出場バンドたちにも今後の活動プランのあり方など、考えなければならないことがたくさんあるはずだ。今後の事態終息が遅れれば、現地への渡航自体にも困難が付きまとう可能性があるし、せっかく出場できても予定通り帰国できなくなる危険性もある。そうしたリスクをバンドに背負わせるわけにはいかない。
そして結果、今年はこの国内大会の開催を見送り、今回のファイナリストたちには来年度、改めて決勝ラウンドに臨んでもらうことになった。この『METAL BATTLE JAPAN』については、毎年、アンダーグラウンド・シーンの動向を知るうえでもとても興味深く、ショウケースとしても楽しませてもらってきただけに、今年も当日を楽しみにしていた。こうした結果になったことはとても残念ではあるのだが、出場が予定されていたファイナリストたちには、現在のモチヴェーションを次の機会まで保ち続けて欲しいところだ。同時に、なかには来年度の本コンテストを目指しながら活動計画を立てていたバンドもいるのではないかと思うが、そうしたバンドたちにも追加出場枠を設けられないものか、主催者側に提案させていただいている。
つまり、この『METAL BATTLE JAPAN 2020』の中止は、あくまで延期に近いもの。主催者側から今回のキャンセル決定が発表されたのは3月29日のことだが、結果的にはその会場となるはずだったWildsideも4月1日、同4日から12日にかけて同会場で行なわれるはずだったライヴやイベントすべてを延期、もしくは中止すると発表している。同会場に限らず、各ライヴハウスが通常営業できる状況が、一日も早く整うことを願っている。
【重要なお知らせ】
— W:O:A MB Japan (@MetalBattleJP) March 29, 2020
本年度の決勝ラウンドに関してのお知らせです。
各バンドさん、御来場予定のお客様、関係者の皆様には御迷惑をお掛けしますが御理解のほど宜しくお願い致します。 pic.twitter.com/OCsrqIAOpA
増田勇一のmassive music life
いつのまにか還暦を過ぎてしまった音楽系モノカキの、 あまりにも音楽的だったり、案外そうでもなかったりする 日々。
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