2月13日以来ブログを更新せぬまま60歳になってしまった。そして気が付けば2月も終了。時間が経つのを早く感じるというのは悪いことではないと思うし1日がなかなか終わらないような気分になるよりは良い気がするけども、ちょっと時間の流れを一時停止させて「還暦の決意」などしてみたかった気がしないでもない。何を決意するかというのは置いといて。
こうして長く生きていると、大好きなアルバムの発売何周年みたいな年数もどんどん長くなってくる。たとえば今年はKISSの『DESTROYER(地獄の軍団)』が発売45周年を迎えている。このアルバムがアメリカで発売されたのは1976年3月15日のこと。先行シングルの“Shout It Out Loud(狂気の叫び)”は同年3月1日にリリースされている。考えてみれば、というか、考えてみるまでもなく、これは僕が初めてリアルタイムで新譜として購入したKISSのオリジナル・アルバムだ。
KISSを初めて聴いたのは、おそらくラジオで“Rock And Roll All Nite”のスタジオ・ヴァージョンを耳にした時のことだと思う。ぶっちゃけその時は〈普通の曲〉だと思ったし、あまりピンとこなかった。が、『全米トップ40』にこの曲のライヴ・ヴァージョンのシングルがランクインしてきた時、〈あの曲がライヴだとこんなにカッコ良くなるのか!〉的な興奮をおぼえたものだ。1975年10月にリリースされていたそのシングルが翌年初頭には全米チャートで最高12位まで上昇。その熱が冷めないうちに世に出たのが“Shout It Out Loud”であり『DESTROYER』だった、というわけだ。
レコードに針を落としてみると、聴こえてきたのはドラマ仕立ての効果音。それを経ながら“Detroit Rock City”が幕を開け、さまざまなタイプの楽曲が次々と顔を出してくる。もしかすると、昔から1枚のアルバムの中で楽曲の方向性が散らばっていたりしても違和感や抵抗をおぼえなかったのは高校1年生の春にこのアルバムに出会っていたからかもしれない。もちろんそれ以前からQUEENやSWEETも聴いていたわけだけども。
このアルバムがKISSの全作品中いちばん彼ららしいかどうかはさておき、僕自身にとってとても大切な一枚であることは疑いようもない。ただ、ときどき思うのは、イメージ的に“狂気”という言葉を使いたかったのだろうけども、“Shout It Out Loud”に似つかわしい邦題は“狂喜の叫び”なんじゃないか、ということ。あと、『地獄の軍団』という邦題はどうしても仮面ライダーの主題歌を思い出してしまうよね。そんなところも含めて、やはり僕は今もこのアルバムを愛している。
45周年記念アイテムもいろいろと。
増田勇一のmassive music life
いつのまにか還暦を過ぎてしまった音楽系モノカキの、 あまりにも音楽的だったり、案外そうでもなかったりする 日々。
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