「日本人は何でもこうやってちっちゃく作るのが得意だからな!」
あれは1998年のこと。僕の退職後、誌面刷新によりサイズが小さくなったMUSIC LIFE誌をCHEAP TRICKのリック・ニールセンに手渡した際、こんなふうに言われたものだ。「しかしまた、どうしてMUSIC LIFEはこんなにシュリンクしちゃったんだ?」とも。
同じような言葉を、今度はジーン・シモンズあたりから聞くことになるかもしれない。7月14日、KISSのオフィシャル・ブートレッグ・シリーズの第一弾作品にあたる『OFF THE SOUNDBOARD:TOKYO 2001』がようやく日本でもリリースされる。アメリカでは6月11日に発売されているので、すでに輸入盤を手に入れているファンも多いはずだが、当然ながらそもそもは日本盤の発売も同時期に予定されていた。が、それがこうして約1ヵ月遅れることになったのは、この作品がKISS史上初となる公式な『ライヴ・イン・ジャパン』アルバムにあたり、その記念すべき作品の日本盤を「日本のファンにとってスペシャルなもの」にすることをKISS側が強く望んだからでもあった。
このアルバムの日本盤には、当時のツアー・パンフレットをミニチュア版として復刻したものが封入されている。これがなかなか可愛い。KISSというバンドには「大きいことはいいことだ」じゃないけども、なんでも大きく作りがちなところがあって、ファンならば「サイズがこんなに大きいのは嬉しいけども、持ち帰りや保管が大変だし、どうしよう?」という半泣き状態を一度や二度は味わったことがあるに違いない。もちろん、だからといって小さいほうがいいというわけでもないけども、今後このアルバムを取り出すたびにこのミニチュア版パンフレットも手に取ることになるわけで、それが、この音源が収録された2001年3月13日の東京ドームへのタイムスリップを味わう手助けをしてくれることになる。そう考えると、とても素敵な特典だと思う。
実はこのミニチュア版パンフレット作成について、日本の発売元はえらく骨を折ることになったらしい。これを日本盤特典として付けることについての可否の結論が出るのにもだいぶ時間がかかっていたようだし、なにしろこのパンフレットにはたくさんのフォトグラファーによる写真(クレジットを確認してみたところ全9名)が使用されているだけに、写真再使用の許諾をとることにも相当な手間がかかったようだ。今は素直に日本側スタッフの労をねぎらいつつ、来週の日本発売を待ちたいところだ。
それにしてもこのミニチュア版パンフ、海外のKISSファンが欲しがるんじゃない?
参考までに実際のパンフ(左)とサイズを比較してみた。
増田勇一のmassive music life
いつのまにか還暦を過ぎてしまった音楽系モノカキの、 あまりにも音楽的だったり、案外そうでもなかったりする 日々。
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