同い年のヒーローの姿に、自分の“今”を問われる。

2月22日はLOUDNESSのギタリスト、高崎晃の誕生日である。彼も僕と同じ1961年生まれ。つまり同期ということになる。うちの両親は結婚する以前には大阪に住んでいたことがあるらしいのだが、もしもそのまま東京に移り住むことがなければ、彼とは幼馴染みになっていた可能性もなくはない。

実際に彼という存在について知ったのは1977年、レイジー(ここは敢えてカタカナ表記にしておきたい)がデビューした当時ということになる。つまり高崎晃ではなくスージーとして知ったというわけだ。レイジーは『ぎんざNOW』や『レッツゴーヤング』(どちらの番組名もすごいよね)にもよく出ていたし、クラスの女子たちにも人気があった。学校をさぼって『ぎんざNOW』の公開生放送を観に行った生徒がいて問題になったこともあったように思う。

初めてステージ上の彼の姿を生で観たのは、1981年12月。言うまでもなく、今はなき浅草国際劇場でLOUDNESSのデビュー・コンサートが行なわれた時のことだ。あの時に感じた興奮は、中学時代から憧れてきた欧米のアーティストの来日公演で味わうそれとは種類の違うものだった気がする。その刺激的な演奏に対する純粋な興奮ももちろんあったが、自分と同じ世代のバンドが常識を覆そうとしているという現実を見せつけられたことで、いよいよ自分たちの時代が来るのだという勝手な共感をおぼえていたのかもしれない。

LOUDNESSのデビューから3年後の1984年には『BURRN!』誌が創刊し、僕は同編集部に身を置くようになる。彼と接する機会を持つようになったのはそれからのことだ。のちに僕は、高崎も中学時代から親しんでいたはずの『MUSIC LIFE』誌の編集長になり、会社を辞めてフリーランスになり、それから20年を経て現在に至っている。それに対して高崎はずっとLOUDNESSの看板を守り続けている。正確に言えば、それを守りながら世界を攻め続けているということになるだろうか。

彼との取材の場では、お互い違う場所と違う状況で生きてきたにもかかわらず、やはり過去の経験に重なる部分が多いことに気付かされることがある。そしていつも感じさせられるのは、もはや俗にいうレジェンド枠にある人物でありながら、あくまで現役として“今”に全力投球で立ち向かっている彼の志の高さと信念の強さ、そしてヴァイタリティのすごさだ。そんな彼の姿を目にするたびに僕は、自分もまだまだ落ち着くわけにはいかない、と思わされる。もちろんこれは高崎やLOUDNESSに限ったことではない。同世代や目上の取材対象の立ち止まらない生きざまには「おまえはそこで止まっていていいのか?」と問われているような気分にさせられる。

単純に言えば、僕は、現役相手にはちゃんと現役として向き合いたい。そうあり続けていきたいし、そのうえでの素晴らしい手本になり得る人たちが同期にもいるのだという現実に感謝したい。

というわけで、高崎晃さん、お誕生日おめでとうございます。これからもたくさん話ができることを願っています。ただし、お酒についてはちょっとお手柔らかに。

2016年7月、スペインはバルセロナで開催のフェス、『ROCK FEST BARCELONA』での高崎晃。僕はこの時、初めて海外でLOUDNESSを観た。この光景には素直に感動をおぼえたが、まさか自分が彼らの背後からこのような写真を撮るような日が訪れようとは!

発売中の『BURRN!JAPAN Vol.10』。高崎は巻頭特集のなかでレイジー時代のことも語っている。是非お読みいただきたい。


youmasuda's Ownd

50代半ばというよりはアラ還に近付きつつあるライター増田勇一の、音楽的だったりそうでもなかったりする日々。

0コメント

  • 1000 / 1000