『YOSHIKI CHANNEL』と『LIVE☆WIRE』

7月下旬は20日、28日と2週連続で『YOSHIKI CHANNEL』に出演させていただいた。20日はYOSHIKI featuring HYDEとして発表された新曲、"Red Swan”(TVアニメ『進撃の巨人』オープニングテーマ)に関することを中心に直接対面形式でのインタビュー、そして28日は『FUJI ROCK FESTIVAL』にてSkrillex(僕はいまだにこの名前を正確に発音できない)のステージにゲスト出演した直後、苗場からの中継画面を通じての会話となった。28日については、その生放送中にSkrillexや彼のマネージャーの歓迎すべき乱入などもあり、いわゆるインタビューの際とは違ったテンションにあるYOSHIKIの表情や言葉をお届けすることができたのではないかと思うが、双方の回の会話を通じて痛感させられたことのひとつに、彼の「ロックを廃れさせたくない」という想いの強さ、というのがある。

彼は、自身とSkrillexに友達レベルでの繋がりがあることを大概の人は意外に思うはずだと認めながら、『COACHELLA FESTIVAL』でのMARILYN MANSONとの共演についても改めて触れ、「こうやって枠がどんどん広がっていくといいな、と思っていて。ヒップホップとかも、(いろいろな形での)コラボレーションをしながら枠を広げてきたじゃないですか」と語り、さらには「ロックがこの世の中にカムバックしていくことに貢献していきたい」とまで言い切っていた。

賛同・共鳴の声をあげたくなるのと同時に、鈍器で頭をガツンと殴られたかのような衝撃をおぼえた。さりげなく吐かれた彼の言葉から、すでに世間的にはロックが廃れたものとして認識されていることを改めて思い知らされたからだ。もちろんその衰退傾向を感じていなかったわけではないが、この発言を耳にした瞬間、目を逸らそうとしていた現実を突きつけられたかのような気分を味わわされたのだ。

そしてある種の感動をおぼえたのは、YOSHIKIが、自分たちの音楽のためのフィールドを守り、広げていくことを使命感のように捉えている、という現実についてだった。たとえば実際、X JAPANのニュー・アルバムは、どんなタイミングでリリースされようと話題を集めることになるはずだ。だけどもそれが〈ロックなど過去の遺物〉と誰もが思っている世の中に放たれるか、〈いやいや、実はまた新たな可能性を広げつつあるんだぜ〉という声が高まりつつあるなかで登場するかには、大きな差があるように思う。彼の意識がそうしたところにまで及んでいることに、僕は素直な感銘をおぼえると同時に、メディアに携わる人間としても同じことに取り組むべきだということを実感させられた。

それから数日を経た8月2日の深夜、僕はスマホである番組を見ていた。The Blue ScreamというバンドのフロントマンであるGOTYによる、『LIVE☆WIRE』という配信プログラムだ。The Blue Screamは、日本のクラブ・シーンで活動しているバンドで、純国産でありながら自身のプロフィールには〈出身:Los Angeles,CA.〉などと躊躇なく書き、各地のライヴハウス空間を80年代のロサンゼルス化させようとしている愛すべき若者たちだ。そんなバンドのメンバーが番組の真似事をやってみたところで、いきなり世の中的に大きな話題になるわけではない。しかし僕は、こうして自分たちにとっての遊び場を自らの手で耕し、自分たちの音楽をより楽しんでもらえるよう工夫を凝らし、背景を伝えることでより深い共鳴を集めようとするこのバンドの意欲的な姿勢と心意気に、ちょっぴり感動させられた。先輩を追いかけていくだけでは誰にも追いつけないし、もっと言えば追いかけるべき誰かの背中も見当たらない。ならば自分たちの手でシーンと支持層を開拓していくしかない。それは、多くのバンド(いや、バンドや音楽に限った話ではないはずだが)にとって、〈重々承知ではあるけども、なかなかできずにいること〉のひとつだろうと思う。そこで彼らが失敗を恐れずに新たなことに取り組んでいるさまに、僕は頼もしさと美しさを感じずにいられなかった。

YOSHIKIとThe Blue Scream。双方が実践していること自体は、規模も違えば次元も違う。しかし根本にあるのは同じ気持ちではないだろうか。自分たちが大好きなもののための場所を失いたくないし、できることならそこを守り抜くのみならず広げていきたい。音楽を作る当事者たちのなかにそういう人たちがいるからこそ、僕もそこに良い意味での加担をしていきたいし、これからの自分に何ができるかを考えながら、新たなことにも取り組んでいきたいと思う。

http://ch.nicovideo.jp/yoshikiofficial


https://twitter.com/the_blue_scream

https://metallichairrecords.wixsite.com/thebluescream

youmasuda's Ownd

50代半ばというよりはアラ還に近付きつつあるライター増田勇一の、音楽的だったりそうでもなかったりする日々。

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