Sammen hver for sig〈離れている時こそ共に〉

先日、コロナの影響で中止となった、サッカーのイングランド対デンマーク戦。会場となったロンドンのウェンブリー・スタジアムのスクリーンには〈Sammen hver for sig〉というメッセージが映し出されたそうだ。昨日の駐日デンマーク大使館のツイートによれば、これは同国語で〈離れている時こそ共に〉という意味なのだという。

この言葉はサッカー愛好家たちばかりではなく、ライヴをやりたくてもやれないアーティスト、観に行きたいけど家にとどまるしかないファンの心にも響くものではないだろうか。生配信ライヴの映像と〈それぞれの環境でバラバラに、だけどもひとつのものを共有するように〉向き合う人たちにとっても。

デンマークといえば、先頃リリースされた最新作『ALTER ECHO』が絶好調のDIZZY MIZZ LIZZYの来日公演が延期となってしまった。理由については改めて説明するまでもない。彼らは本来ならば母国での公演を経て日本に上陸し、4月23日に東京・渋谷TSUTAYA O-EASTのステージに立つことになっていたが、すでに母国での公演についても延期措置がとられており、この一夜限りの東京公演、しかも日本でよく言うところの〈レコ発ライヴ〉みたいな絶好のタイミングで行なわれるはずだったライヴも開催できなくなってしまった。なにしろ自国から出ることも難しければ、なんとか渡航できても今度は帰国できなくなり兼ねないような状況なのだから仕方がない。公演の振替日程については現在調整中とのことでまだ時期についても明言されていないが、開催の可能性が打ち消されてしまったわけではないのだし、今はこの新たな傑作アルバムをさらに聴き込みながら、次なる情報の到着を待ちたいものだ。

そんな待ち時間に眺めてもらえたら、と思い、ここにいくつか写真を掲載しておく。こちらは2016年、デンマークの由緒正しい巨大フェス『ROSKILDE』に彼らが出演した際のもので、同公演の取材に赴いていた僕自身が撮影したものだ。先日、新宿歌舞伎町のRock Cafe Loftにて『ALTER ECHO』の爆音試聴イベントを実施した際にも、この時に録った写真を400点ほどスライドショーで上映したのだが、そのなかから厳選した20点である。この日はティム・クリステンセンの誕生日でもあり、演奏終了後のバックステージ・エリアはバースデー・パーティの会場へと様変わりしていた。これらの写真が、離れていても彼らのことを身近に感じるうえでの、ちょっとした材料にでもなれば幸いだ。


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増田勇一のmassive music life

いつのまにか還暦を過ぎてしまった音楽系モノカキの、 あまりにも音楽的だったり、案外そうでもなかったりする 日々。